人はなぜ「赤ちゃんの頭の匂い」に惹かれるのか 再現した香水を神戸大発ベンチャーが発売

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たちまちのソールドアウト

 プポンピュアは満を持して今年6月15日に発売された。センツフェスではECサイトを立ち上げたが、当初の売り上げは「1週間に1件程度の問い合わせがあるかどうかという感じ」に過ぎなかった。

 だが一部で商品が報道されたことに加え、「匂いは口でいくら説明しても実際にかいでもらうほうが分かりやすい」と、企業展示会でサンプルを配布したことで風向きが一気に変わった。

「ECサイトで売れると私のメールにも通知が届く設定にしていたのですが、報道されたことなどで一気にメールアカウントがパンクするほどの売れ行きとなり、たちまちソールドアウトしました」

 その後も生産が追い付かず、ECサイト上では抽選販売となっており、当落通知や顧客への対応を必死で行っている状況だ。少し時間がかかっても確実に入手できる方法として、クラウドファンディング実施。第1目標の30万円は初日で突破、最終的に9月下旬までに134万円超の支援を集め、成功裏に終わった。

頭の匂いは、「みんなに好かれたい」赤ちゃんの生物学的本能?

 サンプルを配布した際のアンケートによると、プポンピュアを使用した者の多くが“好ましさ”を覚えたという。「リフレッシュするためにこの香水を使いたい」という人が多かったという結果も、同じアンケートで出た。

 多くの企業も、この香りに注目している。

「関西の繊維会社からハンドタオルにこの匂いをつけてみようとのお話があり、10回洗濯しても匂いが消えないという試作品ができました。実際に何度か洗濯しても匂いが新たに立ち上がるようでした。これを使うことで、例えば、満員電車などで顔を拭くふりをしながら香りを嗅ぐことで、周囲からも違和感を持たれずにリフレッシュ、リラックスできる……といった使い勝手をイメージしています」

 他の企業からもコラボレーションの打診があるといい、センツフェスでは香水販売に加え、協業による展開を見据えているという。とかくぎすぎすしがちな世の中、赤ちゃんの匂いがする香水や関連商品に救われる日が来るのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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