かつては東大、早慶を蹴って“創価大”に入学する若者も珍しくなかったが…創価女子短大「募集停止」で創価大はどうなるのか

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本当の“頭脳”は東大卒!?

 事実、若い創大OBの学会員から学会や仏法の話を聞いても、先の自衛隊の例と同じく、そもそもの理解が深まっていないのかなと思うこともしばしばだ。

 いずれにせよ、「そこそこ学力はあるがやる気はない」「学力はないが無駄にやる気がある」者が若きエリートとして遇され、蔓延る組織に未来はない。

 だが自衛隊と学会は違う。どちらも“防大卒”“創大卒”が組織における頭脳ではないからだ。自衛隊に限っては、東京大学卒が話題となった、今夏、統合幕僚長を退いた吉田圭秀氏にみられるように、東大、京大、旧帝大、早慶といった大学の出身者の躍進ぶりを耳にするところだ。

 対して学会は、早くから東大、早大、慶大といった大学の出身者を「キャリア」として遇している節がある。現在の会長の原田稔氏は東大経済、その前の秋谷栄之助氏は早大文学部の出身だ。学会の主要な役職には、東大、早慶クラスが目立つ。

 また東京と大阪にある「創価学園」の中高では、創価大学への進学よりも推奨しているのは、ひとえに「東大」であり、これに届かなければ早慶を目指す。ある創価高校OBは、入学時先輩から、「俺たちは頭脳で学会を守るんだ」と檄を飛ばされたと話す。

学会員の「創大離れ」

 近頃、学会員たちの間でもこの傾向が増してきたようだ。創価学園であれ、地元の高校であれ、大学進学を目指すならば東大と言わずとも、国公立か有名私学。“創大”は視野に入っていない。

 かつてこそ学会員たちの間では、「信心を磨くなら創大へ」という意識が高かったが、今日では、「わざわざ創大へ行かずとも地元で――」と意識も変わってきた。

 学会を、池田先生をお守りするという志を立てたならば、進むべきは創大ではなく東大という時代である。

 そもそも学会の組織風土として、必要ないとなった組織は、すぐに廃止する柔軟性がある。新進党参加時の公明党、その時代的役割を終えたとして2026年度に募集停止する創価女子短期大学然りだ。

 こうしてみると学会員の間で「創大離れ」が進みつつある今、そう遠くない将来、創大もその役割を終えて廃止となる日が来るのかもしれない。

 第3回【日本最大の新宗教「創価学会」はもはや“頭打ち”なのか? 実は海外マーケットと親和性が高い「柔軟性」と「ネバーギブアップの精神」】では、少子高齢化が進む日本での組織拡大は厳しくとも、創価学会が海外で信者を獲得している現状などについて詳細に報じている──。

秋山謙一郎(あきやま・けんいちろう)
1971年兵庫県生まれ。フリーランス・ライター。創価大学大学院修士課程修了。海上自衛隊の高校的存在である海自第1術科学校生徒部から創価大へ進学。高校で軍事、大学で教育学と創価学会に触れる。マスコミ入り後は経済、社会を主なフィールドとして記者活動を行う。著書に『弁護士の格差』『友達以上、不倫未満』(以上、朝日新書)、『ブラック企業経営者の本音』(扶桑社新書)他。共著に『知られざる自衛隊と軍事ビジネス』(別冊宝島)などがある。週刊ダイヤモンド(ダイヤモンド社)の特集『自衛隊 防衛ビジネス 本当の実力』『創価学会と共産党』では外部ライターとして参加した。

デイリー新潮編集部

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