かつては東大、早慶を蹴って“創価大”に入学する若者も珍しくなかったが…創価女子短大「募集停止」で創価大はどうなるのか

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消極的な入学生

 学会と自衛隊、どちらも素晴らしいエリート、新人教育だが、なかなか周囲の思惑通りにはいかないようだ。

「期待を込めて迎え入れて、手取り足取り世話を焼き、それでモノにならないと……」

 高卒後学会ひと筋、同じく自衛隊でずっと頑張ってきたという、異なるふたつの組織で叩き上げたベテランの声は、ほぼこれに集約される。

 そもそも創大にせよ、防大にせよ、皆が皆、高い志を持ち、それぞれの世界で人生を全うすることを望んで入学した訳ではない。

 防大であれば国公立大学の模擬試験代わり、もしくは併願の位置づけだったが本命に行けず。結果、防大進学という者も少なからずいる。

 創大もそうだ。学会員の子弟で国公立や早慶、GMARCH、関関同立クラスへの合格なら、そちらに進むつもりだったが届かず。日東駒専、産近甲龍クラスだと親が納得しない。だから“創大進学”したという話は、昔も今も創大で学んだ者の間ではよく耳にする話だ。

 こうして消極的な理由で進学。卒業後、防大なら部隊へ、創大なら学会組織へ。周囲からの過剰な期待を背負うことになる。だが、そもそも積極的にこれらの大学へと進学した訳ではない。そうした消極的姿勢はたとえ本人に悪気がなくとも、どこか自らの振る舞いに現れるものだ。

低下する偏差値

 学会にしろ、自衛隊にしろ受け入れ先の同僚からすれば面白くない。“創大卒”“防大卒”への期待が大きいだけに落胆もまた激しい。やがてそれは周囲からの“創大閥”“防大閥”に向けた反発心へと繋がっていく。

 だからといって積極的、やる気満々であればいいという訳ではない。そこに知性の裏付けが欲しいところだ。もちろん学力イコール知性ではない。とはいえ学力も大事だ。この学力面での不安が自衛隊では“防大卒”に、学会ならば“創大卒”に向けられている。

 確かに約30年前のバブル期、防大の難易度は理系で地方の国公立大学程度、文系なら旧帝大くらいとされていた。

 しかし今、いくつかの予備校関係者の話を総合すると、理系で日東駒専レベル、文系でGMARCHくらいだという。著しい学力低下により実任務における仕事の伝承に支障を来すまでになった。護衛艦勤務の海曹長は、「基礎学力が低いので何を言っても理解が覚束ない」と嘆く。

 国防にも影響を及ぼす、「幹部の低学力化」は、学会の最前線組織でもみられるようだ。1990年代初頭、大手予備校が弾き出した創大の偏差値は教育学部で53だったと記憶しているが、今、誰に聞いても40から45というのが通り相場だ。

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