慶應薬学部からアフリカ放浪、そして漢方へ… 「Beauty Japan」に挑む34歳女性の半生

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「Beauty Japan」は、〈外見・表面の美しさだけでなく、女性のキャリアなど内面からの美しさを重視〉するコンテストとして、2019年に創設された。その決勝にあたる日本大会に、34歳の漢方薬剤師が挑む。健康に生きることの大切さなど、自らが経験し、感じてきた思いを多くの人に伝えたいという。

「薬学部に進んで未来を切り開こう」

「私の土台には『健康』があり、お役に立てることもきっとあると思います。そうした思いを何千人もの人を前にプレゼンする機会はそうそうありませんから、女性らしさや内面の美しさといったものを表現しつつ、漢方の志も伝えたいと思っています」

 と語るのは、白井栄里奈さんだ。白井さんは全国25か所で行われる地区コンテストのうち、8月11日に羽田空港第1ターミナル内で開催された「BAY Global」エリアの大会で、キャリア部門のグランプリを獲得。日本大会進出を決めた。

「社会貢献を頑張っている女性を応援する、というコンセプトの大会でもあるので、医療や薬剤の道で歩んできたことや志を評価していただいたのかもしれません。それにしても日本大会に出ることができるなんて“胸アツ”ですね」

 日本大会は、11月20日に横浜BUNTAI(横浜市中区)で開催される。

製薬会社営業職として活躍するも芽生えてきた思い

 子どもの頃から生き物が好きで、興味がある分野にどんどん進んでいくタイプだった。医療に興味を持ち始めたのは、慶應義塾湘南藤沢高等部に通っていた高校3年生のとき。慶應大学に薬学部が新設されたことがきっかけだった。

「病気を診るのは医師ですが、体内に入って作用して治す役割を担うのは薬。ならば慶應の薬学部に進んで未来を切り開いていこうと思ったんです」

 薬学部生として6年間学んだ。卒業後は中外製薬に就職し、営業職で関西勤務に。主に透析や骨折、リウマチ領域を担当した。

「医薬情報担当者として、重症化予防に魅力を感じていました。早い段階から病気を見つけて投薬することで、製薬会社としては薬を効果的に使ってもらえる。医者も患者も早く見つけて早く治療したほうが良いので、“三方良し”の関係だったんです。ただ、週に3度、1回4時間の透析が必要な透析患者をはじめ、様々な病に苦しむ患者さんの姿を見ているうちに、どうやったら病気を予防できるか、という仕事に進んだほうが良いと考えるようになったのです」

 幼少時、母親から「やりたいことがあるなら声を出しなさい、手を挙げなさい」と常々言われて育った。自身の思いに突き動かされるように、およそ4年間勤めた中外製薬を退職。28歳になっていた。

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