存在感を増すばかりの「麻生太郎氏」が連立拡大で生かすホットライン 公明への過去の「がん発言」も蒸し返されて

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大阪を捨てれば良いだけ

 自民党の新総裁に高市早苗氏が選ばれ、焦点は連立の枠組みに移っている。自公に維新が加わる流れができつつあったかに見えたがそれは頓挫しそうで、公明はトップが高市体制との連立政権の継続に疑問符をつけるまで踏み込んだ。一方で国民民主は自民との距離の近さをアピールしつつある。今後、連立交渉はどう進んで行くのか。

「維新は新体制の立ち上げ以降、石破茂首相の退陣を前提に自公連立に前向きどころか前のめりになっていました。自民が維新の新たな看板政策『副首都構想』に乗れそうだということも連立参加へのアクセルになっていました」

 と、政治部デスク。昨年10月の衆院選で維新は19ある大阪の小選挙区すべてで勝利した。そのあたりがネックになりそうだと言われていたが……。

「早い段階で“自民が大阪を捨てれば良いだけ”という結論が出ていました。ただ、公明にとって大阪は“発祥の地”で常勝と呼ばれてきました。にもかかわらず、去年の衆院選では候補を立てた4つの小選挙区で維新に敗れており、公明側に維新側への拒否反応があることは明白でした」(同)

麻生氏の「がん発言」

「自民側は水面下で“小泉進次郎総裁”を前提にその後ろ盾である菅義偉元首相と公明とのパイプに期待していました。維新も同様で、小泉総裁なら自公維連立は早期にあり得ると見られていましたが、白紙に戻った格好です」(同)

 高市氏は新総裁に選出後に公明の斉藤鉄夫代表と会談して連立継続の意思を伝えたが、斉藤氏は、高市氏の歴史認識や靖国神社への参拝についての考え、外国人との共生など、懸念を表明した。

「これまで自民の総裁が交代してあいさつに出向いても連立は“自動更新”でしたので今回の斉藤氏の対応は異例中の異例で、斉藤氏が会談で伝えた懸念をメディアにも明らかにしたのもサプライズでした。公明や支持母体・創価学会嫌いで知られる麻生太郎氏が副総裁だった2023年9月に公明幹部や創価学会について“がんだった”と発言したことがありましたが、その際も公明側の対応はそこまで厳しいものではありませんでした。今回の高市氏への反応はかなりストレスがたまっている印象を受けました」(同)

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