存在感を増すばかりの「麻生太郎氏」が連立拡大で生かすホットライン 公明への過去の「がん発言」も蒸し返されて
麻生・榛葉のホットライン
一方、高市新総裁と維新の関係はどうか。 高市氏の選挙区は奈良2区だが、ちょうど大阪からの維新の攻勢を食い止める関所のようにも見える。
「地理的には確かにそうですね(笑)。だからと言って維新と距離があるかと言うとそこまでではないでしょう。ただ、伝えられている通り、高市氏が連立、あるいは連携相手と見ているのは国民民主です。国民民主も埋没を懸念して自公維連立を相当警戒していました。国民民主の榛葉賀津也幹事長と麻生氏とはかなり関係が近く、ここ最近もメディアの目に触れる形で会談を行っています。普段からプライベートでも細かく連絡を取り合う間柄です」(同)
5日には高市氏と国民民主の玉木雄一郎代表とが秘密裏に会談していたことが報じられた。加えて、自民税調会長に8年君臨し、国民民主が看板政策に掲げてきた「所得税の“年収の壁”引き上げ」などに慎重姿勢を崩さず「ラスボス」などと呼ばれた宮沢洋一氏が退任する見通しだ。国民民主が宮沢氏の退任を求めており、これを高市氏が受け入れたとも見られている。これらを踏まえれば自民は国民民主との連携・連立に前のめりに見える。
首相ポストなら別だが
では麻生・榛葉のホットラインをベースに連立入り確定かと言うと、そう単純でもないらしい。
「国民民主の支持母体の連合は基本的に連立への参加をよしとはしないでしょう。さらに、建設的な提案をする野党として活動を続けることで党勢をさらに拡大したいとの思惑が玉木氏らにあり、連立を即座に選択せず、当面は政策的な連携がメインになってくると見られています。首相ポストを提示されるなら話は別ですが。高市新総裁の生みの親とされる麻生氏ですが、ここでもパーシャル連合の橋渡し役としてその影響力を行使しそうな雰囲気です」(同)
かつて自民党にとっての「ゲタの雪」、すなわち付いていくしかない存在と揶揄されたこともある公明党だが、党勢衰える中、危機感はかなりのもののようで、今回は「高市新政権」への懸念を前面に打ち出し、けん制の姿勢を崩していない。高市氏が麻生氏寄りのスタンスを取り続ければ「予断を許さない展開」も想定されるという。
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