「妊婦の腹を切り裂いて胎児を取り出す場面も…」 日本を徹底的に悪者に描く反日映画「731」 その無茶苦茶な内容とは

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なぜ反日プロパガンダに躍起に?

 報道では、映画公開初日は中国各地の日本人学校が相次いで休校したという。なぜ今、中国は反日プロパガンダに躍起なのだろう。

「ここ数年、中国はアメリカとの間で激しい対立を演じ、反日運動を展開する余裕まではありませんでした。関税を巡る対立がひとまず落ち着いたことで余力が生じたのでしょう。もちろん、国内の経済状況が芳しくなく、共産党への不満が生じていることも関係していると思います」(西谷氏)

 だが果たして、B級映画ともいうべき本作で反日感情を惹起(じゃっき)できるものか。

 周囲を気にしつつ上海で見たという日本人女性は、

「私の上映回では観客が10人ほどしかおらず、途中で退出する客もいて、およそ大ヒットしている映画だとは思えませんでした」

 そうもらすのだが、西谷氏が指摘するには、

「反日映画はB級エンタメ的なものになることが多々あります。例えば、女性の軍人キャラがド派手なアクションをするなんていつものこと。映画を普段見ない農村部の人たちを飽きさせないためです。ただ、タチの悪いことに『731』は最後に日本人の証言映像を流し、映画が事実であることを強調するつくりになっている。反日映画によくある手法で、見終えた者にすべて事実だと思い込ませてしまうのです」

 やはり笑っている場合ではない。さすが筋金入りの中国の反日映画には、蓄積に基づく、洗脳のための、したたかな計算があるのだ。

週刊新潮 2025年10月2日号掲載

特集「大ヒット中 反日映画『731』の笑える中身」より

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