一人ご機嫌の「麻生太郎氏」 「主流派に戻ることしか考えていない」キングメーカーは決選投票でどう動くか
珍しく政治的センスのある…
自民党総裁選(10月4日投開票)は、小泉進次郎農水相(44)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安全保障相(64)、茂木敏充(69)、小林鷹之経済安全保障相(50)の5人で争われている。候補者たちがしのぎを削り、神経をすり減らしている中、自民党内で唯一の派閥を率いる麻生太郎最高顧問は、石破茂首相退陣の決定的な流れを作り、総裁選も目論見通りに進んでいるということにご機嫌なのだという。
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これまでの流れをざっくりと振り返っておこう。
「石破おろし」が強まる中で石破茂首相(党総裁)は9月2日に続投の意向を表明。これを受け、麻生氏は9月3日、麻生派(43人)の研修会で、総裁選前倒しの実施を求めると明言した。
「結果として石破氏は退陣を表明しましたから、麻生氏にしては“珍しく政治的センスのある動きだった”と総括されています。麻生氏はキングメーカーなどと言われていますが、首相在任時、解散時期を逃して与党を下野させてしまったことに象徴されるように政局勘について疑問符が付くと言われています」
と、政治部デスク。
林氏以外の4人に
麻生氏は退陣表明を受け、「どうせ言うなら、もう少し早くから言ってくれればよかったのに、と思わないでもない」などと山口県内の講演で語っていた。
「麻生氏らしいと言うかひとこと多いと言うか……。ともあれ、自身の描いたシナリオ通りに物事が進んでいるようで、とにかく嬉しかったのでしょうね」(同)
現在5人で戦われている総裁選も麻生氏に目論見通りに進んでいるようだ。
「麻生氏は表向き支持候補を明確にしていませんが、1回目の投票では“林氏以外の4人”に自派閥の票を分散させる方針です。林氏のバックには旧宏池会(旧岸田派)の元会長で、解散した派閥に今もなお強い影響力を誇る古賀誠元自民党幹事長がいます。古賀氏と麻生氏とは地元・福岡で対立を続けてきた関係で、林氏は古賀氏への遠慮もあり、麻生氏に支援を頼みにくい構図になっています」(同)
1回目の投票では誰も過半数に達することはなく、上位2名による決選投票の可能性が高いとされる。
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