浮気発覚で離婚から3年後 「30代サレ妻」に元夫から届いた不穏な小包の中身は…【川奈まり子の百物語】

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 これまでに6,000件以上の怪異体験談を蒐集し、語り部としても活動する川奈まり子が世にも不思議な一話をルポルタージュ。今回は、コロナ離婚を経験したひとりの女性の身に起きた出来事を紹介する。

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 結美さん(仮名)は3年前に離婚した。別れた原因は、新型感染症の流行に伴い、夫婦そろって自宅勤務に切り替わったことで、夫の嘘がばれたからだ。

 それまで彼女の夫は最低でも月に1度、多い時は2~3度も出張と称して外泊してきた。

 しかし感染症の蔓延を防ぐために自宅勤務になれば、頻繁な出張もなくなる。少なくとも減りはするだろうと思っていた。

 だが、あいかわらず出張の回数は減らないようだ。そこで疑惑が生じて、いろいろと探ってみたところ、夫の愛車のカーナビに行ったことのない場所が複数記録されていたのであった。

 多くは結美さんが知らないレストランやホテルの検索履歴だったが、その他にも近郊の山林を示す履歴もいくつかあり、浮気相手とドライブを愉しんだことが推察された。

離別のとき

 結婚から5年経ち、共に30代半ばになるが、子どももなく、元より夫婦仲は冷めていた。

 家は、結美さんが亡き祖父から遺贈された古い木造家屋で、結婚前から住んでいたので、夫婦の共有財産でもない。

 だから、結美さんが証拠を突きつけて別れを迫ると、夫があっさりと浮気を認めて離婚に応じたのは、さして意外なことではなかった。

 お互いに冷静で、口論にもならなかった。

 夫によれば浮気相手は不特定多数で、派遣型の「夜の仕事の女性」が大半であり、そこにごく少数のマッチングアプリで釣れた女性が混ざるとのこと。

 それを聞いて結美さんは、去年の秋、結婚記念日に、どこかで夫が見つけてきた隠れ家的な料亭に連れて行ってもらった後、深夜、料亭付近の峠道をドライブしたことを想い起して、心の底から厭な気持ちになった。

 あのとき、暗い森に囲まれた山中に車を停めて語り合い、キスを交わした。

 ……夫は同じことを不特定多数の女たちとやっていたのに違いない。

 カーナビの履歴を鑑みれば、それは明らかだと思われた。

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