浮気発覚で離婚から3年後 「30代サレ妻」に元夫から届いた不穏な小包の中身は…【川奈まり子の百物語】
夢の続きは
奇妙な出来事だったが、これでお終い……になるはずだった。
箱が届いた日の夜に、久しぶりに峠道の夢を見た。
ただ、これまでは無かった夢の続きがあった。
――ふと気づくと元夫の姿が車の中から消えている。そこまでは今までと同じなのだが、そこで目が覚めず、彼女は慌てて辺りを見回す。
すると、森に入ってゆく夫の背中を見つけるのだ。
急いで車から降りて夫を追いながら、「どこへ行くの?」と呼び掛けるが、夫は答えず、樹々の間に消えていこうとする。
結美さんは、真っ暗な森の奥へ足を踏み入れることを躊躇した。
すると、遠くから女性の悲鳴が聞こえてきた。
ギョッとして立ちすくむ。
そのとき、土の匂いがにわかに強まったかのように感じ、梢のざわめきと虫の声だけが鼓膜に溢れて、なぜか、今ここには生きている人間が自分しかいないことをふいに悟った。
つまり、元夫も、あの悲鳴の主も、すでに死んでいる――。
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嫌な気持ちにしかならない郵便物。そのためか不穏な夢に続きができてしまった。【記事後編】では、実際に“あの場所”に向かう展開に。
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