息子夫婦に「レス問題」が発覚 このままでは孫が…63歳夫が走ってしまった“許されない解決策”

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哲朗さんが息子と話をすると…

 大問題勃発である。夫に愛する人がいるなら、私は離婚してもやむを得ないと思っていると雪菜さんは言った。そのとき、哲朗さんは「母と弟妹のめんどうをお義母さんがみてくれている」ことを知った。雪菜さんは弟妹の学費さえめんどうを見ていただければ、あとはもういいし、私は身を退くとも言った。

「今度は息子とふたりで話しました。そうしたら、やはり息子には好きな人がいた。でも相手は離婚したシングルマザーだから、おかあさんが賛成するはずがない、と。それで偽装結婚みたいなことになってしまったのだと。本当はどうしたいんだと聞いたら、シングルマザーの彼女と一緒になりたかったけど、少し前におかあさんが彼女のことを嗅ぎつけて直撃、手切れ金をつきつけて別れるよう脅したというんです」

 息子は必死でひきとめたが、シングルマザーの彼女は「おかあさんとの約束だから」と去っていった。その後、引っ越したようでもう行方がわからないということだった。だから雪菜とうまくやるよと息子は無理やり笑ったが、しばらくたって雪菜さんに聞くと状況は変わってないようだった。

雪菜さんを元気づけようと…

「雪菜さんが、『私は結局、誰からも愛されない人生のままなんです』と泣くのを見て、僕は気持ちをもっていかれた。彼女は素直でけなげでしっかりした女性です。母子家庭の長女だったから、弟妹に愛情を注いだけど、彼女自身は多忙な母親から愛されたという実感はないままだった。まして父親に関してはうっすらとしか記憶がないようでした」

 1年ほど前のことだった。雪菜さんを元気づけようと、ときどきドライブに誘っていたのだが、車内で彼女がふと哲朗さんに身体を寄せてきた。彼女の髪がふわりと揺れ、シャンプーの匂いが鼻孔をくすぐった。その瞬間、彼は近くにあったホテルに車を乗り入れていた。

「部屋に入ったとき、雪菜さんは黙って抱きついてきました。『前からお義父さんが好きだった』と。自制できなかったんですよ。いや、自制すべきという認識も吹っ飛んでしまった。年の差も、息子の妻であることも、何もかもが飛びました。目の前の雪菜さんしか見えなくなっていた」

 一生のうちでいちばん精魂こめた、そして誠を尽くした行為だったと彼は大仰につぶやいた。それが本音なのだと伝わってきた。

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