4人殺害しながら「審理中に居眠り」「黙秘80回以上」 長野たてこもり事件、青木被告の態度に遺族は涙
黙秘は”戦略”ではないのか
公判の争点は「責任能力の有無」に尽きる。通常であれば確実に死刑判決が言い渡される事案だが、犯行当時、被告には完全な責任能力があったと主張する検察に対し、弁護側は精神疾患による心神耗弱の状態にあったと訴えているのだ。
被告の弁護人は、死刑廃止を訴える団体にも名を連ねる“人権派”の今村義幸弁護士。となれば黙秘の連発は、今なお心神が耗弱しているとアピールするための“戦略”ではなかろうか。
当の今村弁護士に聞くと、
「私としては本人が話すべきだと思っていたし、その準備もしていました。多くの人から“悪知恵を吹き込んだのか”と言われますが、100%違います」
では、捜査段階で四人の殺害を認めていた被告はなぜ“黙秘”に転じたのか。
「彼は大学時代に病気になり“声が聞こえる”と家族に訴えても気のせいだと言われてしまい、警察や大学も取り合ってくれませんでした。当初は本人も、その苦しかった体験を法廷で話したいと思っていました。ところが過去の体験を思い出し“どうせ話しても理解されないから”という意識が芽生え、殻に閉じこもってしまったのです」(同)
「明らかに眠っていた」
こうした身勝手な物言いを並べ立てるたび、遺族が感情を逆なでされるのは言うまでもない。そして、狼藉はこれにとどまらない。前出の傍聴記者が明かす。
「青木被告は公判中、座って目を閉じている場面が頻繁に見受けられます。時にはこっくり、こっくりと船をこぎ、明らかに眠っている場面もありました。かつて中野市議会議長を務めた被告の父親も証言台に立ち、息子に代わって深々と頭を下げていましたが、その姿に遺族らは憮然としていました」
冒頭の女性は、第8回公判を傍聴した被告の母親である。この日も被告は、遺族からの直接質問に対して“黙秘”を繰り返していた。罪悪感のかけらも持ち合わせない息子の姿に何を思うか。廷外で問うと、母親は無言で立ち去っていった。
判決は10月14日に言い渡される。





