4人殺害しながら「審理中に居眠り」「黙秘80回以上」 長野たてこもり事件、青木被告の態度に遺族は涙
9月22日、長野地方裁判所。一人の女性が、審理が終わって閑散となった傍聴席の最前列に立ち、廷内の一点を見つめていた。視線の先には2年前、4人の命を奪った青木政憲被告(34)の姿があった……。
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事件があったのは2023年5月25日。長野県中野市にある自宅の庭で除草作業中だった青木被告は、散歩で通りがかった女性二人に突如襲いかかり、ナイフで刺殺。さらに通報を受けて駆け付けた警察官二人を猟銃で撃つなどして殺害した。その後、親族を人質に取って自宅に籠城。およそ12時間後に身柄を確保されたのだった。
社会部デスクが言う。
「逮捕された青木被告は、取り調べで“女性に(独り)ぼっちとバカにされた”と供述。当初は地域住民とのトラブルに端を発する事件かと思われましたが、女性二人とは面識がなかった。実は被告には、以前から妄想や幻聴といった精神疾患の症状が見られたのです」
その疾患が判明したのは、13年7月のことだった。
「両親が東京の大学に進学した被告の下宿先を訪ねると、痩せこけた本人が“部屋に監視カメラや盗聴器が仕掛けられている”と口にしたというのです。そんな経緯もあり、逮捕後には精神鑑定が行われています」(同)
法廷で涙を流す遺族
3カ月間の鑑定留置を経て、刑事責任能力ありと判断した長野地検は23年11月、殺人罪などで起訴。公判前整理手続きを経て、初公判がさる9月4日に開かれた。集中審理による裁判員裁判では、肝心の犯行動機が被告の口から明かされるとみられていた。が、
「検察官から罪状認否を問われた被告は、いきなり“黙秘します”と拒絶。11日の第4回公判の尋問でも、実に80回以上にわたって“黙秘”を連発しました。その態度に、法廷で涙を流す遺族もいたほどです」(傍聴した記者)
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