藤原紀香「合コンCM」の衝撃…スマホ世代には理解できない「写メ」の登場で日常生活が激変した25年前を振り返る

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 今や写真撮影の主役はスマホである。だが、元々はフィルムカメラの時代があり、その後、徐々にデジカメに移行していくという流れであった。ご記憶の方もいらっしゃると思うが、2000年11月、J-PHONE(現ソフトバンク)が、写真撮影機能のついたシャープの携帯電話「J-SH04」を販売。撮った写真をすぐにメールで送れるという画期的なアイデアが大人気となり、この一連の動作、またはその写真が「写メール」と呼ばれるようになり、略されて「写メ」の愛称になり、携帯電話で写真撮影をし、それをメールで送るという文化が誕生した。

 もっとも、カメラ付きケータイ発売当初の空気感としては「はっ? なんでケータイ電話で写真撮るの? せっかくデジカメがあるのにそんな小さい端末で写真撮ってなんの意味があるの?」的なものだった。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】

「写メするね」

 しかし、メーカー各社は「その手があったか!」とばかりに写真撮影ができる携帯電話を次々と投入し、「写メ」を撮る姿は日常的になった。韓流ブームを牽引したペ・ヨンジュンをはじめ、海外スターが日本の空港に到着すると、大勢のファンが一斉に携帯電話を向ける。その光景は芸能ニュースの定番的な画(え)になった。

「写メール」自体はJ-PHONEが商標登録をしたが、「サランラップ」「ホッチキス」「セロテープ」同様、一般用語的に使われるようになった。ドコモとauの携帯電話で撮影をしても「写メ」と呼ばれたし、未だに「写メするね」と言う人が時々存在する。

 現在の子ども・若者はスマホの重要機能として「撮影できる」があることを当たり前のように享受しているが、わずか25年前は困惑をもって迎えられていたのだ。そして、自社の携帯電話の撮影機能がいかに素晴らしいかを示すことに精を出しており、今では考えられない、以下のようなCMも流れた。

 当時J-PHONEのイメージキャラだった藤原紀香が、合コン会場へ向かう。会場には、ブサイク男性陣が鎮座し、そこで藤原ら女性軍団は困惑。その直後、別の男性から女性軍団の元へ、「これがメンツ」という文言と共にイケメンがずらりと並んだ写メールが届き、合コンの誘いを受ける。すると藤原と仲間達は合コン会場の階段を上り、その場を去ってしまう。

 2025年の今であれば、このようなルッキズム丸出しのCMは企画段階で問題視されるだろうが、当時はこうした表現が許されていたのである。そして、コンプライアンス的な視点を抜きにすれば、このCMは、写真が持つインパクトを的確に表していたともいえよう。

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