「他人を悪く言うことは生涯なかった」 小沢一郎氏の元秘書・石川知裕氏 妻で衆院議員の香織氏が明かす“生き様”【追悼】
「夫とはいえ見事だった」
国政への意欲を失わない。
「演説が面白い。まず笑いを取って、分かりやすく主張を聴かせ、最後に畳みかけて話を締める。夫とはいえ見事でした」(香織氏)
22年の参院選では立憲民主党から北海道選挙区に立つも次点に。
「明るくて弱音を吐かない夫がこの時は様子が違いました」(香織氏)
昨年、大腸がんだと公表。それでも衆院選の比例代表北海道ブロックに立候補。
「50年後の十勝を見据えた農業や漁業を考えていました。地味なテーマに受け止められようが大切なんだと意欲的でした」(香織氏)
9月6日、52歳で逝去。
「お見舞いに来て下さる方を断ることなく、看護師さんに心配されても話し続けていました」(香織氏)
小沢氏や鈴木宗男氏も最近まで見舞いに訪れていた。
地元十勝での支持者と屋外で焼き肉をしながら交流する“野遊会”を毎年楽しみにしていた。今年予定の前日に亡くなった。
「“自分は現地に行けないけれど、楽しい会にしてやって下さいよ”と石川君に頼まれていた。でも、思い出して涙が出てきた。国政から離れ10年以上たっても信頼されるのは、現場の人と同じ目線に立ってきた積み重ねです。国政の仕事は思いがけない出来事で中断した。だから復帰を必ずやり遂げるとの覚悟でした」(松木氏)
濃密な人生を全うした。




