先輩の恋人への仕打ちがひどすぎる 浮気しまくり、DV…挙句「お前にやるよ」と言われた僕と彼女の奇妙な関係

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 長期間にわたる不倫関係は、「もうひとつの家庭」をもっている感覚に陥りがちだが、そうなることでマンネリ化していくのも事実。いくら毎日一緒にいるわけではなくても、関係性において新鮮さを保ち続けるのはむずかしい。

「25年になりました」

 そう言って少し照れたような表情を浮かべたのは、久保京輔さん(55歳・仮名=以下同)だ。彼の言う「25年」は、不倫期間である。一口に25年といっても四半世紀、産まれたばかりの子が25歳になる年月だ。その間、ずっと不倫の恋を続けてきたとは、それだけで驚かされる。

「バレてない……と思います。ふたりとも結婚しているけど、どちらの家庭も一応円満です。それだけに内心、心苦しいところはありますが」

 あらゆる人たちに嘘をつき、家族を裏切り続けても「どうしても別れられなかった」という関係が、現実に存在する。

25年不倫のはじまりは

 そんなに離れられないなら、それぞれ離婚して再婚すればいいのではないかと一般的には思うだろう。だが、京輔さんは「彼女とは恋愛だからうまくいったのだと思う」と言う。

 彼女と個人的に接するようになったのは彼が26歳、相手の紗織さんが22歳のときだった。もともとは同郷だったため、顔くらいは知っている関係だった。

「ちょっとね……嫌な思い出なんですよね」

 彼はそう言って一呼吸置いた。でも話すと言ったのだから話さないとわからないですよねと自分に言い聞かせるようにつぶやき、重い口を開いた。

「紗織は高校時代の先輩の恋人だったんです。僕らのサッカー部のOBで、僕より5歳年上だった。彼は東京の大学に進学したんですが、何かで郷里に帰ってきたとき、高校を卒業したばかりの紗織に声をかけ、ふたりはつきあうようになった。紗織はそのまま上京して先輩と同棲するようになった。そのころ僕は東京の大学を卒業して就職したばかりでしたが、先輩に紹介されて、1度だけ紗織に会ったことがあるんです」

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