父子“水入らずの会話”がリスクという皮肉…チャールズ国王と再会したヘンリー王子は「英王室のモットー」を守れるか
英国時間10日午後、チャールズ国王と次男のヘンリー王子が“対面”した。長く確執が報じられている父と子の、1年7カ月ぶりの再会である。お茶会の場で1時間足らずという短さだったが、本当に和解への一歩となるのだろうか。
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和解を望んでいるヘンリー王子
チャールズ国王とヘンリー王子が前回対面したのは2024年2月6日のことだった。その前日、チャールズ国王は「がん治療の開始」を公表。これを知ったヘンリー王子が、移住先の米国から単身で駆け付けたという流れだ。父を案ずる息子の行動としては自然だが、長く報じられている王室とヘンリー王子の確執からすると物議を醸す行動だった。
英国滞在は約25時間、チャールズ国王との会話は約30分という強行軍。英国民の一部からは「パフォーマンスか?」「もうすぐ新しい暴露本が出るのでは」といった声が上がった。ヘンリー王子夫妻が王室のあれこれを暴露した“前科”は、そう簡単に忘れられるものではない。
この再会以降は「ヘンリー王子は王室との和解を望んでいる」「英国に戻りたい意向がある」といった報道が断続的に続いた。このうち「和解」はヘンリー王子が明言しているため事実である。並行して、ヘンリー王子が英国で起こした訴訟の経緯や「米国での人気凋落」、「メーガン妃との別行動」といった話題も定番化し、「米国でのビジネスに見切りをつけて撤収」「離婚しての英国帰国」といった憶測につながった。
私的なお茶会でやっと再会
この間、ヘンリー王子は何度か英国入りし、そのたびにチャールズ国王との再会が取りざたされた。そんな中で7月、英紙「デイリー・メール」が父子の“側近会談”をスクープする。チャールズ国王の広報担当官とヘンリー王子の首席補佐官を含む数名が、ロンドンの会員制メンバーズクラブで顔を合わせたのだ。
そして2カ月後の9月10日に再会が実現。チャールズ国王の邸宅であるロンドンのクラレンス・ハウスで、プライベートのお茶会に出席するという形である。ヘンリー王子は自身が後援する団体のレセプションといった“公務”があり、8日から英国入りしていた。
クラレンス・ハウスでの滞在は1時間足らずだったが、前回の30分よりも会話の時間は長かったとみられている。お茶会の後、ヘンリー王子の広報担当者は、「彼は明らかに英国への帰国を楽しんだ。古い友人や仲間と再会し、彼が大切にしている活動の素晴らしい取り組みを支援できたことを喜んでいる」という声明を公表。12日にはウクライナへの電撃訪問が報じられた。
とはいえ、ヘンリー王子と王室の確執がこの再会で解消する、あるいは“間違いなく”解消に向かうと考えている向きは皆無である。英メディアが一様に「和解への第一歩」という表現にとどまる理由は、確執の根深さはもちろん、他にも大きすぎる懸念事項があるからだ。
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