「メンバーとの年俸交渉もあります」…結成28年、クレイジーケンバンドが今も新作を出し続けられる理由

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社長としての仕事

 このハイペースを維持するには、当然、ビジネス面での支えが必要になる。CKBの場合、事務所を経営するのは“社長・横山剣”。

 どのようにして“新作とツアー”のサイクルを持続可能にしているのか。経営方針はあるのか。

「40数年前、僕はクールスR.C.というバンドのヴォーカリストでした。そこでベースを弾いていたトニー萩野とはじめた会社がCKBの事務所、ダブルジョイレコーズです。第2ギターのガーちゃん(新宮虎児)に200万円を借りて当時、有限会社をつくりました。CKBのメンバーは全員年間契約。毎年契約更改の場を設けています。面談の担当は萩野。メンバーは僕に言いづらいことも、萩野には言いやすいのでしょう」

バンドは人数が多いほうがもめない

 プロ野球などと同様、交渉によって年俸が決まるというのだ。査定対象項目は音楽の力量、前年の貢献度等々。

「基本はメンバー全員同額です。そこから、楽曲のアレンジへの貢献度やテレビ出演などインセンティブがプラスされます。Tシャツやタオルなど物販については、ロイヤリティを渡しています。

 メンバーがCKB以外の仕事をやった場合は、全額本人の収入です。会社としては、義理人情と民主制と独裁制をイイ湯加減に調整してるので、いまのところはたぶんうまくいっています。大所帯であることをよく心配されますが、バンドは人数が多いほうがもめません。それぞれを思いやる気持ちが強くなるんじゃないでしょうか。

 実は、ビジネス書とかビジネス雑誌を読むのは嫌いじゃないんですよ。『プレジデント』とか、昔なら『ビッグ・トゥモロウ』とか。でも、自分がそういう方面にはあまり向いていないことも、長い間やっているとわかってきました。任せるところは任せたほうがいい、という考えに年齢を重ねるうちになってきました。そうして、ある程度人に任せるようになってからのほうがうまくいっている気がします」

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