「倭寇」とは何者だったのか──近松門左衛門「国性爺合戦」に描かれた“海の英雄”の正体

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「倭寇」といえば、13世紀末から16世紀にかけて、朝鮮半島や中国の沿岸を荒らした海賊である。日本史の教科書では、豊臣秀吉の海賊禁止令、徳川幕府の鎖国政策によって収束したとされている。

 しかし、東洋史を専門とする岡本隆司・早稲田大学教授は、「後期の倭寇はもともと日本人ではなく中国の人々が中心だったので、日本が“鎖国”したからといって、それで収束したわけではありません。また“海賊”というのも、あくまで中国当局者から見た評価に過ぎず、見方を変えれば“当局の圧政に抵抗する海上勢力”ともいえる存在でした」と語る。...

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