28歳で結婚→2年で離婚、32歳で再婚→3年後にまた離婚…「女が嫌い」とやっと気づいた42歳夫の人格はどう形成されたか

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歪んだ女性観を自覚

 28歳のときに最初の結婚をしたが、すぐに別の女性と関係をもって2年後には離婚。32歳で2度目の結婚をしたものの、またも3年後に離婚。

「共同代表の先輩に、さんざん怒られました。『結婚したくもないのにするからいけない。おまえのしていることは相手を傷つけているだけだ』と。そのころになって、ようやく自分の背景と自身の人間性について考える気になりました。親のせいにするつもりはないけど、知らないうちに自分は歪んだ女性観をもっているのではないかと薄々わかってはいたので。家庭をもちたいと思っているわけではないのに、相手が結婚したいと言うとしてしまうんですよね。女性を信用していないし、女は怖いとわかっている。それでも頼まれるとイヤとは言えない。結婚してからちょっとでも嫌なことがあると、母から逃げたように女性から逃げる。でも、どうすればいいのかはわからない」

 仕事関係において、彼は誰ともトラブルを起こしたことはないという。相手の言い分を聞き、自分の意見を述べる。それだけでうまくいく。なのにどうして対女性になるとうまくいかないのか、彼にはわからなかった。

「特定の女性に、特別な感情をもたないからいけないんだと先輩に言われたけど、特別な感情があると行動が変わるんですかね。かえって怪しくないですか?」

軽い気持ちで女性とつきあうな、と言われても…

 人を愛することがどういうことなのか、正解をもっている人はいないのかもしれない。愛が暴力に変換されてしまう人もいるし、愛を伝える術をもたない人もいる。そして自分の中に相手を愛おしいと思う感情がわかない人もいるだろう。誰もがそれについてもがいているのではないか。

「軽い気持ちで女性とつきあうからいけないと先輩は言うんですが、重い気持ちでつきあうという意味もわからない。関係をもってしまって、相手が望むから結婚した。それは重い気持ちだと僕は思うんですが」

 好きだから一緒にいたい、人生をともに歩きたいから結婚したい。一般的にはそういう「錯覚」で結婚が成立するのかもしれないが、徹治さんにその錯覚は起こらない。彼にしてみれば、同居して生活をともにすることでお互いに興味を失うものではないのか、そうなれば他の新鮮な異性に目が向くのは当然……となる。つまり彼はパートナーに何も求めていないのだ。そこが彼の強みなのか弱みなのかわからないが、一般的な理屈が通らないゆえんだろう。

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 複雑な生い立ちによって、徹治さんの女性観に“歪み”が生じたようだ。【記事後編】では、彼の2度の離婚と、現在も揉めているという夫婦関係について紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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