貧しくて、冷蔵庫にはキャラメル1個…大ヒット「ひだまりの詩」歌う62歳の波乱万丈

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学校を早退して仕事

――「ひまわりキティーズ」のメンバーだった時、左卜全さんと歌った「老人と子供のポルカ」がヒットしてからは、学校との両立は?

 大変でしたね。朝起きられないと父に「やめちゃえ」って言われて、「負けられない!」って気持ちで起きていました。学校に行って早退して仕事に行き、夜遅く帰ってまた早起き……そういう生活が続きました。

 父はステージパパのようで、左卜全さんとやっていた時も、親代表で「ひまわりキティーズ」の子どもたちを束ねて現場に連れて行く役でした。そういうところはしっかりしていましたね。

――「ケンちゃん」シリーズの思い出は?

 自分が出ていたという実感がほとんどなくて。記憶の中には断片的に残っているんですけどね。

 何年か前にブックオフで「ジャンケンケンちゃん」全話のDVDを見つけまして、その中にケンちゃんがお誕生日会に招かれる話があって、ちょっとピンと来たので、購入して家で観てみたら、やっぱり私がいました(笑)。

 なぜピンと来たかというと、お金持ちの友達の誕生日会に招かれる話は、印象的に記憶に残っていたからなんです。当時私の家が貧しかっただけに、ケーキを食べたり、プレゼントを渡したりするシーンが楽しくて、夢か現実かわからないほど、ワクワクしながらその役に浸っていたんですよね。大人になってそんなことを思いだしながらその映像を観た時に、なんだか自分のことながら当時の私が健気というか(笑)、愛おしい気持ちになりましたね。

――「ケンちゃんシリーズ」は当時、大変な人気でした。学校では注目されませんでしたか?

 その当時は同級生もみんな観ていましたけど、子供だからあまり意識はしていなくて。ただ、父が作ってくれる洋服がちょっとモダンで、近所の子から「それ着られなくなったらちょうだい」と言われることもありました。そういう注目はむしろ苦手でしたね。

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