「ひだまりの詩」が大ヒット 芸歴56年、今も歌い続ける62歳 学校訪問は15年以上

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「思いやりってどういうこと?」

――今回のライブでも、その臨場感は意識されますか。

 もちろんオーディオ好きの方にも楽しんでいただけたらいいですが、純粋に曲そのものを味わっていただければ嬉しいです。今回はオリジナルメンバーでの久しぶりの演奏になるので、その空気感やグルーヴ感も感じてもらえたらいいなと思っています。

――2008年から全国の学校で歌われている「OMOIYARIのうた」は、藤田さんが作詞作曲されたものですね。

 日本青年会議所から「いじめをなくすより、思いやりを増やしたい」という依頼があったんです。それがきっかけで作りました。全国の学校で歌ってくれているので、実際に訪問して子どもたちと一緒に歌います。

「思いやりってどういうこと?」を一緒に考えながら、手話も取り入れて、心を込めて伝えています。音楽って言葉よりもまっすぐに届くものがあると思うので、歌でそういう気持ちを育てられたら嬉しいです。

――曲ができて15年以上たった今も、学校訪問は続けているのですね。

 今年の秋も広島の学校に伺う予定です。その場で手話のレクチャーをすると、子どもたちはすぐに覚えてくれて、一生懸命に手話をしながら歌ってくれるんです。それを見るたびに、この活動を続けてきて良かったと感じます。

――「camomile」シリーズは香港や台湾など海外でも人気で、現地を拠点に活動するお話もあったそうですね。

 海外のチャートに入ったり、賞にノミネートされたりして、事務所からは「香港で活動したらどうか」という提案もありました。でも現地のレコード会社の方から、「日本でやった方が絶対いい。日本発の方がブランド力がある」とも言われました。なので、あえて日本を拠点にして活動を続けています。海外での活動も興味はありましたが、やっぱり日本が好きなんです。

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 第2回【貧しくて、冷蔵庫にはキャラメル1個…大ヒット「ひだまりの詩」歌う62歳の波乱万丈】では、藤田が幼少期や演歌歌手時代、自身の家族について語っている。

藤田恵美(ふじた・えみ)
1963年、東京都清瀬市出身。幼少時から劇団に所属し芸能活動を続ける。1994年にLe Couple(ル・クプル)としてデビュー。1997年に「ひだまりの詩」が180万枚の売り上げを記録し、NHK紅白歌合戦に出場。2001年からソロプロジェクトを始動。アジア各国で洋楽カバーアルバムが「聴く薬」と呼ばれ45万枚の大ヒット。2012年にはリリー・フランキー氏の総合プロデュースによるオリジナルアルバム「花束と猫」で、日本レコード大賞「優秀アルバム賞」を受賞。2008年に愛知県の小学生と共につくった「OMOIYARIのうた」が全国の子どもたちに歌われ始め、2010年から全国を廻っている。

デイリー新潮編集部

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