「ひだまりの詩」が大ヒット 芸歴56年、今も歌い続ける62歳 学校訪問は15年以上
「ヘッドフォンコンサート」にも挑戦
――今回のセットリストはどのように構成されたのですか。コロナ禍の間に3枚のアルバムを制作されたそうですが、正式なライブで披露するのは今回が初めてだとか。
実はコロナ禍の前にもJZ Bratでのライブを予定していたのですが、中止になってしまって……。その後、コロナの間に3枚のアルバムを作ったんですけど、お披露目する場がなかったんです。
今回は、そのレコーディングに関わったメンバー3人で演奏します。コロナ禍で作った3枚を中心に、これまでのカモミールシリーズの中からも人気の曲を少し織り交ぜて、初めて聴く方にも、昔から聴いてくださっている方にも楽しんでいただけるようにしました。
――コロナ禍での制作は、どんな状況だったのでしょうか。かなり制約も多かったのでは。
1枚目の「ココロの時間」は、「帰れない二人」(井上陽水)、「ケンとメリー」(Buzz)、「白いブランコ」(ビリーバンバン)などを収録した邦楽カバーなんですけど、制作の途中で緊急事態宣言が出てしまったんですね。
ホールを貸し切って録音する予定が、1日目で「もう使えません」となってしまって、本当にどうしようかと……。でも、その時は「こういう状況でも音楽は作れる」ということを証明したい気持ちもあって、最後までやり切りました。
残り2枚「Headphone Concert 2021」「Headphone Concert 2022」は、むしろコロナ禍だからこそできた作品です。間隔を空けて座ったホールで録音して、そのままお客様にヘッドフォンで聴いてもらう「ヘッドフォンコンサート」にも挑戦しました。
――その「ヘッドフォンコンサート」というのは録りたての音をヘッドフォンで聴く珍しい形式ですよね。
録りたての音は“素材”そのもので、すごく生々しい。CDって、加工していくうちにどうしても音が変わっていくんですけど、これは最低限のミックスでマスタリングもなし。その場で出た音をそのままお届けするので、「こんな音、聴いたことがない」と驚かれる方が多いですね。音の奥行きや息づかいまで伝わるので、オーディオが好きな方にはたまらないと思います。
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