「職場ダブル不倫」がバレて四者会談…「別れなければ上司に言う」 針の筵でも改心しない40歳夫のホンネ

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【前後編の後編/前編を読む】「ダメ、やり直して」妻の監視下でトイレ掃除をさせられる… “家庭内暴君”に疲れた40歳夫が見つけた救い

 戸川孝太郎さん(40歳・仮名=以下同)は、およそ1年前に同僚の芙美香さんとのダブル不倫が明るみに出て、現在は双方の夫婦が集まって今後を話し合う場が、定期的に開かれている。4人全員が教育関係者という、社会的にも倫理観が求められる立場が、事態をややこしくしているようだ。孝太郎さんと、妻・恭子さんとの間には、年子で2人の娘がいる。気が強く、時に“暴君”じみた振る舞いをする妻に耐えながら、どうにか夫婦生活を続けていた矢先に、孝太郎さんと芙美香さんは出会ったのだった。

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 人を好きになると、世の中が急に明るくなる。色が違って見えるとか、気温や花など自然を繊細に感じるようになったという人もいる。恋をすると、細胞がいっせいに花開いたように活発な活動を始めるのかもしれない。

「それからは心にすべてを秘めながら、彼女との関係を続けました。毎日、職場で会えるんですが、仕事上、話すときは以前と同じようにと務めていました。偶然、目が合ったときは知らん顔するようにした。誰かが気づくと思っていたから。すべてを秘めて、SNSで連絡をとりあった。やりとりはその都度、全部削除しました」

 一緒にしていた仕事はすでに終わっていたので、ふたりで会う必然性がない。何か一緒にできる仕事を作り出そうとしつつ、隣町のホテルへ出かけた。

「夏休みを同じ時期にとろうということになって……。とにかく、会いたくてたまらないわけです、ふたりとも。同じ時期に夏休みをとることはできるけど、それぞれ家庭にどういう言い訳をするか。そこが問題でした」

 芙美香さんは、「いっそ別の土地で会わない?」と言い出した。地元で会うよりリスクは低いかもしれないと孝太郎さんも賛成した。

「私は何とでも言い訳できると彼女は言うんです。問題は僕。そこへ祖母が入院したという報せが舞い込みました。申し訳ないけど、それを使うしかなかった」

祖母をダシにして…

 妻には祖母の見舞いに行きたいと伝えた。家族旅行の日はすでに決まっている。それに間に合うように帰ってくる、でも「おばあちゃんは僕にとって大事な人なんだ」と妻に切々と訴えた。それは本当なのだが、それまでの結婚生活で、彼はそれほど祖母の話を妻にしていなかったから、妻は最初、怪訝な顔をしていたという。

「母とも連絡をとり、祖母のところには本当に行くことにしましたが、何泊になるかは妻には言わなかった。ついでに実家にもちらっと寄ってくるかも、久しぶりだからとかいろいろなことを言いました。情報過多でしたね。実家と祖母のところは方向は同じだけど、かなり離れているし、ちょっと無理があったかも」

 芙美香さんとは、祖母の入院先からそれほど遠くないところで合流することにした。近くに温泉があるので、ふたりでしっぽり楽しみたかった。ふたりきりで、背徳をも味方につけたような時間を過ごしたかったのだという。

「ところが彼女とゆっくりまったりしているときに、妻から何度も電話があったんです。出づらかったし、正直言うと出たくなかったので電源を切りました。彼女とは1泊しかできないから、一緒にいる時間を大事にしたかった」

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