ボンタンアメ、大福は「試す価値あり」 各世代の200人に聞いた「尿意対策」を医師がジャッジ

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1分間に1ccの尿が作られる

「ぎりぎりにトイレに行く」(44歳・滋賀県)、「対策も何も、こうするものなのでは?」(33歳・京都府)、「それ以外あるのか知りたい」(38歳・岩手県)と、みなさんそれ一択といった回答で、計21票を獲得。

「膀胱の大きさには個人差があってサイズが決まっています。イベントの直前に尿を出して空っぽにしてあげれば、膀胱の実力を最大限に発揮できます。

 普通、人の身体ではだいたい1分間に1ccの尿が作られるといわれます。排尿日誌をつけて、たとえば自分は300cc溜められるとわかったら、300分、つまり5時間もつということがわかります。そしたら、(4時間を超える)ワーグナーのオペラだって見られるんです。排尿日誌で膀胱の大きさと尿の量を把握すれば、予定に合わせて計算して行動することが可能です」

 ただ、膀胱の実力を発揮できない人も。

「前立腺肥大症の男性です。たとえば、本来は300cc溜められる膀胱だったのが、尿道が圧迫されて150ccしか出せない、となる。排尿しても膀胱が空にならないので一度に少ししか溜められないんです」

 症状に悩む方は泌尿器科の受診を。治療は薬で行い、残尿を減らしたりゼロに近づけていくという。

話題の大福、ボンタンアメは…

 さて、次は話題の食べ物で尿意を遠ざけると回答した人。まず、「大福を食べる」派。

「SNSで話題になっていたから」(24歳・長野県)、「3時間以上トイレに行けない行事の時は必ず食べる」(60歳・大阪府)

 一方のボンタンアメ派。

「尿意に有効と口コミで見て1時間前から食べる」(50歳・沖縄県)、「最近SNSで流れてきてみんなが実践してるみたい」(51歳・新潟県)

 同様に「ネットに書いてあった」(33歳・東京都)と餅派の人も。いずれもSNSや口コミで広がりを見せ、ボンタンアメに至っては『国宝』の公開時に、一時、品薄になるほどだったとか。実際に信ぴょう性はあるのだろうか。

「あり得ると思います。餅や大福、ボンタンアメの共通点は、主成分がもち米なことです。高糖質の炭水化物には、浸透圧の関係で体内の水分を保持しようとする働きがあるんです。糖が分解されて体外に排出されるまでは水分をキープするので、一時的に尿意を遠ざける可能性があるのではないでしょうか。

 ただ、糖尿病の人は尿の中に糖がいっぱい出るんですが、それは余分な糖を尿の中に捨てているためで、糖と一緒に水分がくっつくため尿量が増えて頻尿になるんです。糖尿病患者はそもそも喉が乾きやすいですが、糖分によってさらに水をがぶ飲みして頻尿になるので、糖尿病の人には逆効果になると思います」

 健康な人であれば、試してみる価値はあるのでは、と高橋先生。逆に、利尿作用の高い食品もあるんだとか。

「スイカなど、カリウムを多く含む食品がそうです。トイレに行きづらい予定のある日は控えるといいですね」

 甘党でなく辛党で、“映画鑑賞にはビールにポップコーン!”などという人は?

「利尿作用のある飲み物は、トイレに近い席や通路に近い端の席を選ぶしかない。ただしお供のポップコーンは糖質があるので、あったほうがいいかも」

 中断前提でトイレに行きやすい場所を選ぶのがベストだが、おつまみのポップコーンで命拾いする可能性もあるようだ。

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