ピーター・フォークの実娘は私立探偵だった…「刑事コロンボ」が100倍楽しめる豆知識、「昭和天皇も大ファン」の真相は?

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娘は、私立探偵!

 ピーター・フォークには前妻との間に2人の娘がおり、特に妹の方のキャサリンは、その奔放な言動が多く報道されることがあったため、日本でも知られた存在だった。

 広く知られるのは、キャサリンが21歳の大学生時の出来事だ(1992年1月)。彼女は元々情緒不安定なところがあり、父のピーター・フォークは大学を辞めさせ、精神科医のカウンセリングを受けることを希望していた。ところがキャサリンがこれに応じず、ならばとフォークは学費の納入をストップ。すると、キャサリンは「学費を払って!」と逆にフォークをロサンゼルス上級裁に訴えたのである。この時は和解でことが済んだが、それから6年後、驚きのニュースが飛び込んで来た。なんとキャサリンは、コロンボの大向こうを張って、私立探偵になったというのである。

 アメリカには私立探偵を養成する専門学校がいくつかあり、キャサリンはその中でも老舗の「ニック・ハリス・ディテクティブ・アカデミー」を卒業。カリフォルニア州公認の私立探偵の資格を手にし、探偵事務所に就職。張り込みや隠し撮りなどに精を出していたという。

 本人は「父の出演していたドラマに影響を受けたわけではない」ときっぱり。「でも、将来的に自分の事務所が持てたら、社名にコロンボは入れたいわね」とちゃっかりしていた。

 その後、キャサリンの消息が伝わったのは2008年末、ピーター・フォークが亡くなる3年前のことだった。アルツハイマー病を患いつつ、後妻と暮らしていたフォークに、財産管理人を置くよう裁判所に訴え出たのだ。理由は「父は記憶が減退しているので、財産の分与を巡って、容易に騙される可能性」があるというものだった。キャサリンは前妻の子であり、後妻(前掲のシェラ・デニーズ)とは、極めて仲が悪かったことも背景にあるだろう。

 審議の結果は、「後妻を財産管理人に任命する」というもの。「ウチのカミさん」は、やはり強かったようだ。

 人にもドラマにも歴史あり。コロンボが犯人を追い詰める際に、質問する決め台詞、「あともう一つだけ」をこの夏休みに、これまた名演とされる吹き替えでお楽しみ頂ければ幸いだ。

(※1)=『(株)行動科学研究所』に委託し、首都圏在住の13歳から69歳の男女300人を対象にアンケート。「オレたちひょうきん族」や「8時だョ!全員集合」などを含む、これまでに放送された334のテレビ番組が記載された表の中から、1人につき10番組を選んで投票する形。結果は「調査情報 1992年7月号」(TBSメディア総研発行)より。

瑞 佐富郎
愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。「デイリー新潮」でもおなじみ、プロレス&格闘技ライターとしての活動が中心で、著書も多数上梓しているが、元々は大島渚の片腕として知られた有名脚本家・田村孟に師事しており、映画、文学への造詣も深い。映画関連の執筆仕事として、「勝新伝説」 (宝島社)などがある。

デイリー新潮編集部

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