ピーター・フォークの実娘は私立探偵だった…「刑事コロンボ」が100倍楽しめる豆知識、「昭和天皇も大ファン」の真相は?
昭和天皇も大ファン!
日本でも絶大な人気を誇る「刑事コロンボ」だが、昭和天皇も大ファンだったという話がある。
〈天皇陛下は、コロンボの大変なファンだそうだ〉(毎日新聞。1975年9月5日付朝刊)
〈わけても陛下はテレビ番組「刑事コロンボ」が大のお気に入り〉(朝日新聞。1975年9月3日付夕刊)
これらの記事が頻出したのは、1975年の秋だった。同時期、昭和天皇は訪米を控えており、10月8日にはロサンゼルスで市長主催の食事会への出席が決定していた。その際、昭和天皇に喜んでいただこうと、ピーター・フォークを列席させるのではという予測がなされたのである。当時の雑誌記事の中には、陛下がピーター・フォークに会うのを熱望しており、主催者側にもそちらをオファーしたというものまであった。
ところが当日、ピーター・フォークの臨席はなかった。当然だが、昭和天皇ご自身が「ファンである」と公言したことはない。「ニューズウィーク」日本版のインタビューで、同番組の視聴について聞かれた時も、視聴しているかどうかには否定的で、以下のようにお答えになっている。
〈一般の国民が非常に楽しんで見たと聞いています〉(『ニューズウィーク』日本版公式HP。2016年3月23日更新分)
真実が明らかになったのは2010年、ピーター・フォークの自伝が出版された時だった。同書内に、以下の一節があったのだ。
〈日本の天皇が訪米された時の話。(中略)ホワイトハウスに招かれた際、晩餐会に招待してみたい人物を尋ねられた陛下は「コロンボに会いたい」とおっしゃったそうだ。だけど、そのときちょうど撮影に入っていたわたしは、残念ながらお会いすることは叶わなかった〉(『ピーター・フォーク自伝 「刑事コロンボ」の素顔』東邦出版より)
因みに、コロンボが昭和天皇に謁見出来るかどうか、という当時の各記事では、得てして以下の心配で締められている。
〈遂にあのヨレヨレのレインコートを脱ぐ時が来るのか、注目だ〉
なんとも微笑ましいし、礼服姿も見たかった気がする。
愛車を盗まれている
事件が起こったのは1976年の5月。フィットネスジムに向かうため、ビバリーヒルズの自宅を出たピーター・フォークは、愛車を駐車場に停めた。そして3時間後、汗を流して帰って来ると、愛車は影も形もなくなっていたという。ドラマ内のコロンボの愛車は、何とも大衆的な量産車である『ブジョー404』だが、実際の愛車は71年型メルセデスベンツで、時価800万円以上の被害であった。
実はピーター・フォーク、盗難事件に遭うことが多く、1978年8月には主演映画「ブリンクス」のフィルムを盗まれている。前述の愛車盗難については、犯人がそれをピーター・フォークのものであることを知っていたかは不明だが、こちらは明らかにピーター・フォーク狙いの犯罪だった。というのは、この映画、実際にあった現金強奪事件を描いたものなのだが、捕まった犯人は監督が「各シーンがリアルに見えるように」アドバイザーとして呼んで来た、元窃盗犯の2人組だったのだ。
幸い、盗まれたのはネガではなかったため、すぐに復旧が可能となり事なきを得たが、どちらの件でもピーター・フォークは報道陣にこう聞かれたという。
「犯人の目星は、もうついてますか?」
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