ピーター・フォークの実娘は私立探偵だった…「刑事コロンボ」が100倍楽しめる豆知識、「昭和天皇も大ファン」の真相は?

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ヨレヨレのコートは、ピーター・フォークの私物

 コロンボといえば、ヨレヨレのレインコートだが、実はあのコート、演じた俳優、ピーター・フォークの私物だった。設定にオーバーコートとあったのを、フォークがレインコートと誤読したフシがあり、それを着て来たのでそのまま撮影に入った。因みにスーツや靴も自前のものだったとか。

 予備に2~3着のレインコートも持っていたが、ほとんど初回と同じのを着続け、シリーズが終わるとタンスに大切に保管された。なお、予備の物がチャリティー・オークションに出されたことがあり、高値をつけていた。

 この、アイコンともいえるイメージを逆利用したのが、日本の服飾メーカー、オンワード樫山。1975年、ピーター・フォークを自社のブランド「マッケンジー」のCMに起用したのである。内容は、紺や白の同スーツを、ピーター・フォークがフォーマルかつ恰好良く着こなしているもの。くたびれたレインコートの印象があるだけに、極めて大きなインパクトを与えていた。

 因みにピーター・フォークは、かねて日本の大企業からCMオファーを受けていたが(日本生命、東芝、日立製作所、サンヨーなど)、これが日本でのCM初出演となった。その一報が流れた時、オンワード樫山の株価が6円上がったというデータがある。こちらも、日本におけるコロンボ人気を物語る逸話と言って良いだろう。

“ウチのカミさん”が主人公のドラマ・シリーズがある

「ウチのカミさんが……」が口癖のコロンボだが、このカミさん、コロンボ本編のドラマには一度も姿を見せたことがない。ところが、カミさんが主人公のドラマ・シリーズが存在する。

 タイトルは「ミセス・コロンボ」。1978年、「刑事コロンボ」が一旦終了となった後、売れる企画を探していた前出のNBCが制作。79年2月に放送が開始された。コロンボの愛犬や愛車は出て来るが、コロンボ自身は一切姿を見せないのが特徴。いわばコロンボのスピンオフ作品ということになるが、意外にも視聴率が大不振に陥った。

 その理由は主人公の設定にあったと言われる。コロンボの生みの親と言っていい脚本家たちは主演に、“ウチのカミさん”らしく、アカデミー賞も受賞した実力派で、かつピーター・フォークより2歳上の“姉さん女房”、モーリン・ステイプルトン(当時54)を推したが、件のNBC社長は、23歳の新鋭、ケイト・マルグルーにすると言って聞かず。脚本家たちも降りてしまった。

 コロンボには随分と若い妻がいるということとなり、制作会社のユニバーサルも、「ミセス・コロンボとコロンボの夫人は、同一人物ではない」と否定する始末。職業は記者(しかもアルバイト)という設定だったが、コロンボと違い、テキパキと事件を処理して行く姿も、反感を買ったのかも知れない。結局、シリーズ後半には「コロンボとは離婚した」という設定に変えられ、タイトルも「ミセス・キャラハンの冒険」に改題。約1年で番組は終了した。

 なお、ピーター・フォークは2度結婚しており、再婚相手はシェラ・ダニーズという、22歳下の女優だった。しかもこのダニーズとフォークとの出会いはまさに「刑事コロンボ」で、結婚前に1度、結婚後は5度、「刑事コロンボ」で共演している。役柄は犯人の秘書や妻、もしくは犯人ということもあったが、得てしてコロンボが「ウチのカミさんがね……」と言うのを苦々しく聞く役どころで、一種の楽屋オチになっている。

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