マップ解析で判明した「東京~埼玉」に広がる2本の“外国人居住者ベルト” 意外な地域に意外な国の住人が…知られざる多国籍ニッポンの現在
広範囲に伸びる外国人比率2~4%のエリア
次に「第2ベルト」として定義した埼玉県内15の自治体を、東武東上線の路線順(都心から郊外。※高麗川駅のみJR八高線)で示す。外国人比率は2〜4%と穏やかだが、ベルトの広がりは顕著である。
左から、自治体(駅)、外国人比率(外国人人口/総人口)でまとめた。
・和光市(和光市駅)3.6%(3027人/8万4748人)
・朝霞市(朝霞駅、朝霞台駅)3.4%(4928人/14万3975人)
・志木市(柳瀬川駅)3.1%(2312人/7万5063人)
・新座市(志木駅)2.9%(4836人/16万6115人)
・富士見市(みずほ台駅、鶴瀬駅、ふじみ野駅)3.1%(3531人/11万3188人)
・ふじみ野市(上福岡駅)3.1%(3568人/11万3452人)
・川越市(川越駅、川越市駅、霞ヶ関駅)3.2%(1万1180人/35万4670人)
・鶴ヶ島市(若葉駅)2.9%(2051人/7万156人)
・坂戸市(坂戸駅、北坂戸駅)3.8%(3817人/9万9631人)
・日高市(高麗川駅)2.4%(1260人/5万3445人)
・東松山市(東松山駅、高坂駅)4.2%(3857人/9万2604人)
・滑川町(森林公園駅)3.2%(649人/1万9995人)
・嵐山町(武蔵嵐山駅)4.2%(745人/1万7612人)
・小川町(小川町駅)1.7%(450人/2万6989人)
・寄居町(寄居駅)2.8%(888人/3万1203人)
「第2ベルト」の各自治体の外国人の国籍内訳をまとめると、こちらは中国、ベトナム、フィリピン、ネパールの各国籍が中心となっている。
特に、都心から郊外に向かって中国籍の外国人比率が減少するのとは逆に、ベトナム籍の外国人比率は郊外に向かって増加する傾向が見られる。鶴ヶ島市を境に逆転している。
その他で目立つのは、嵐山町のブラジル国籍の比率が高いことだろうか(0.8%)。
住まい選びは「地域選び」だからこそ
都市の中心から外縁部へ、さらには郊外へ──。外国人の居住地は、都市構造と交通網の論理に従って形成されてきた。その連なりが、いまや“外国人居住者ベルト”として現れていることが分かる。
こうした変化は、多文化共生を推進する都市の機会であり、未来を切り開く可能性を秘めている。
一方で人口構成の変化は、住宅や教育、地域コミュニティの姿にも少なからず影響するため、そうした情報は日本人にとっても、住まいを選ぶうえで考慮すべきファクターともなり得る。
外国人が多い地域にこそ、多様性が生まれ、文化的な刺激がある。一方で、行政サービスの整備や地域間の格差といった課題も見逃せない。そうした地域の“今”を正しく理解することが、未来のまち選びにつながるはずだ。
<【最新マップで判明した「東京・埼玉」に広がる2本の“外国人急増ベルト” 国籍別の外国人分布“最新データ”を徹底分析し浮かび上がった新事実とは】では、さらに2014年、2019年、2024年の外国人比率をマップで可視化。2つのベルトが時代の変化とともに、どのように郊外に広がっていったのかを解説する。また、「第1ベルト」の中心地である「川口市」、「蕨市」、「戸田市」に見られる「極めて外国人比率の高い地域」の最新状況を詳細マップで分析。総数14枚の図版と5000字にわたるマン点氏渾身のレポートをお届けしている>
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