【べらぼう】染谷将太「喜多川歌麿」が大画家になるのに必要だった「蔦重」と「眼」

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独創的な歌麿がなぜ「人まね」なのか

 喜多川歌麿といえば「美人大首絵」である。女性のウエストアップ、またはバストアップを描いた絵は、まったく新しい発想だった。それまで大首絵(半身像や胸像)といえば人気役者を描くものと相場が決まっていたが、歌麿は蔦重こと蔦屋重三郎のプロデュースで、美人画に大首絵を導入した。

 しかも、歌麿の美人大首絵は、描かれた女性の性質や状況を見事にとらえ、画中の人がなにを思い、どうしようとしているのか、見る人がさまざまに想像するように促した。たとえば、寛政4年(1792)に蔦重の耕書堂から出された『婦人相学十躰』。...

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