【医学部合格への方程式】「これをやると本番まで引きずる…」夏の後半戦を前に必ず知っておくべき「やるべきこと」「やってはいけないこと」
大学受験の天王山といわれる夏真っ盛り。順調に勉強が進んでいる生徒もいれば、「この勉強の仕方で本当にいいのかな」と不安を抱えている生徒やその保護者も少なくなかろう。特に医学部受験においては、この夏の過ごし方が本番にも直結する。現役生も浪人生も、夏の「後半戦」を迎える前に、ここで軌道修正をしておこう。医学部受験を知り尽くすプロが、“超現実的”なアドバイスを送る。(田尻友久/医学部・歯学部オンライン個別指導塾「メルオン」創立者)
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現役生にとっては、学校が休みで自分の勉強に集中できる時期であり、浪人生にとっても、苦手を克服したり基礎を固めなおしたりする最後のチャンスと言えるのが、「夏」です。
特に高い倍率を勝ち抜かなければならない医学部志望者にとっては、この夏の過ごし方で今後が左右されるといっても過言ではありません。
8月も残すところ3週間となった今、“夏の失敗ルート”に足を踏み入れていないか、再度確認してみてはいかがでしょうか。
偏差値を上げる勉強は「効率的でない」
まず強調したいのは、「偏差値を上げる勉強にこだわってはいけない」ということです。
特に夏休み明けの時期に模試が控えていることもあり、誰もが目先のわかりやすい指標である「模試の偏差値」を重視してしまいがちです。
しかし模試の点数を上げるということは、「満遍なく勉強する」ということに他なりません。
私立大や単科医科大を中心に、医学部受験で課される問題は、学校ごとに大きな特徴があります。大事なのは、各受験大学で出題される問題を解けるようになることなのですから、夏には受験校をある程度定めていき、そこを見据えた勉強を始める必要があるわけです。時間制限が厳しかったり、難度の高い問題が出題されたりという特徴のある医学部受験ですが、逆にいうと、大学ごとに「パターン問題」があって、そこさえ確実に解ければ、偏差値が低くても合格はできるのです。
しかし多くの受験生が一斉に受ける模試で偏差値を上げていくとなると、受験予定の大学では出題されそうにない問題の対策まで、広く取り組んでいく必要が出てきます。こうしたやり方が完全な無駄、とまでは言いませんが、効率的でないことは確かです。予備校の夏期講習も含めて、ただ漫然と「偏差値を上げるために満遍なく勉強している」という場合、ここで考え方を改めておくべきだと私は思います。
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