担任教師の顔面を殴って鼻骨を折り、校長を膝蹴り…【立川・小学校襲撃】 法廷で明かされた究極の“モンスターペアレント事件”の一部始終

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学校に行ってやろうか

 そして件の5月8日である。

「その前夜、後藤は母親から、上記の不満を聞かされ、“担任もおかしい”“思い当たることは全部話した方が良い”とアドバイスを送っています。それを受け、母親は8日の朝に学校に電話をかけ、10時前から担任と2度目の面談を行いました。一方、両被告は、飲食店で朝5時頃から飲酒していた。そこに面談を終えた母親から、やはり担任や相手の母親に不満を感じている旨の連絡が入りました」

 酒の力もあったのか、スイッチが入った後藤被告。「学校に行ってやろうか」「そのガキの名前とクラスを教えてくれ」と母親に要求。担任教師の名前も聞き出し、高松被告を従え、タクシーで学校に向かった。高松被告は店から持ち出した焼酎の瓶を抱えていたという。

顔面を拳で

 正門前に着いた2人は母親と合流し、土足で校舎内に入って当該クラスの教室に向かう。授業中の教室に乱入し、まず、高松被告が焼酎の瓶を床に叩きつけて割った。

「そして後藤が、“××(相手女児の名)はどこだ?”などと叫び、また、担任に近付いて“お前か”などと言いながら、顔面を拳で何度も殴っています」

 当然ながらクラスはパニックに。児童の中には、「不審者」などと叫びながら、階段を降り、一階の職員室の前を通って体育館に逃げる子どもも出てきた。職員室にいたさる教師が騒ぎに気付き、教室に駆け付け、持ってきた刺股を後藤被告の腹部に押し付けて取り押さえようとしたが、逆に廊下に押し出される。そして、高松被告から顔面を数発殴られた。

鼻骨骨折

 そこに駆け付けたのが校長である。「やめなさい!」と叫び、両名に駆け寄ったが、高松被告から顔面を殴られた。続けて両被告は階段を降り、入り口のガラスを割って職員室に侵入したという。

「校長もそれを追いかけて職員室に戻り、設置された非常通報装置で110番通報しました。するとそれを見た後藤は、“てめえ、誰に連絡してんだよ”などと言いながら、校長の股の間と左の脇腹を膝蹴りしました。さらに、それを止めるべく後藤に抱き着いたり、足にしがみついたりした教師(=先の教室に駆け付けた教師)の顔面を何度も殴っています。さらには、そこに駆け付けた別の教師にも暴行を加えています」

 目撃した児童にとっては、トラウマになるのが確実な、むき出しのバイオレンスが25分ほど続けられた後、駆け付けた警察によって2人はようやく逮捕された。担任教師は鼻骨骨折で全治1カ月、校長や他の教師ら3名も打撲などで全治2週間の怪我を負ったのだ。

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