「あなたの奥さんに会ってみたい」年下の不倫女子は闘る気マンマン… 3年沼った48歳夫に残ったもの
「奥さんに会ってみたい」
このままだと底なし沼にはまっていく。いや、もうはまっているのだが、金輪際、抜けられなくなる。それでもいいじゃないかという気にさえなっていた。
「会社員じゃないし、たかが不倫で社会的信用を失うわけでもないだろうと高をくくっていました。でもあるとき、帰宅したら妻が世にも恐ろしい形相で仁王立ちになっていた。どうしたのと言うと、『こんなのがニュースに流れていたのよね』って。それはある商業施設の映像でした。その日、そこでちょっとした事件があったんですよ。僕とリカもそこにいたんです。妻はネットニュースで見て写メを撮っておいたらしい。リカがべったり僕にくっついて歩いているところでした。どう見ても年の離れた不倫カップルにしか見えない。一瞬の映像なのに妻にはわかってしまったんですね」
どういうことと聞かれて、「仕事関係者で、たまたま彼女が転びそうになったので支えただけ」とシラを切った。妻が納得するはずもないが、絶対に認めないと決めていた。
「リカにその話をしました。僕は認めないから、今まで通りだからと言うと、彼女は『決着つける?』と言い出した。『私、あなたの奥さんに会ってみたい』って。それだけはダメだよ、妻には罪はないと言ったら、『わかった、じゃあほとぼりが冷めるのを待とう』とさっさと決めた。僕はリカがいないと生きていけないと言ったら『私のほうがあなたへの愛は深いんだから、大丈夫。少しの時間よ』って。その少しの時間がどのくらいの期間なのかわからなかった」
「振り回されているのはわかっている」
3ヶ月近くたったころ、彼は共同代表の先輩から、「ほら、例のリカさん。仕事なのか結婚したからなのか、海外に行くとかいう噂があるけど、何か聞いてる?」と言われ、彼はパニックに陥った。リカさんに連絡をとって質しても「ただの噂よ、結婚なんてしてないし。どうしてそういうことになるの」と取り合ってくれない。だが、リカさんならある日突然、結婚していてもいなくなっても不思議はない気がしてならなかった。
気分が浮いたり沈んだり、雄一郎さんは心穏やかに過ごせない日が続いていた。
「振り回されているのはわかっているんです。でももっと振り回されたい。僕は彼女から離れられない。でも今は待っているしかない」
おそらくリカさんは彼に見切りをつけているのだろう。彼女のイメージから言うと「不倫だから別れたい」わけではなく、「この関係に飽きた」のではないだろうか。
リカさんの“真相”
そしてつい先日、彼からメールが来た。やはりリカさんにフラれたようだ。そして先輩が新たな情報を仕入れてきた。
「やっぱり彼女、海外に行くらしいよと。身辺整理もしたと言っているって。僕は身辺整理の対象になったわけですね。どうやら彼女は不倫の常習犯だったようです。今までも自分に沼らせては冷たくフッたり自然消滅を図ったりしてきたと。家庭を壊して、相手を離婚させてから逃げたこともあるらしい。『オレも1度でいいから、ああいう女性に沼ってみたいよ』という先輩の声が今も耳に残っています」
恥ずかしかった。と同時に悔しかったし悲しかった。そして彼女に振り回される快感を、彼は今も忘れられないでいる。さらにいえば、彼女は他の男にはともかく、自分にだけは本気だったと信じているそうだ。
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【記事前編】で紹介した人生の好転から一転、雄一郎さんは気持ちのうえでどん底に突き落とされる。本人は「リカさんの挑発に乗せられた」と語っていたが……。
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