「ガキの使い」なんて言い方は…G阿部監督の懲罰的コメント、Bクラスの可能性もある緊急事態の今は控えるべき【柴田勲のコラム】

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冗談抜きでBクラス、いや5位もある

 巨人が中日、DeNAとの6連戦を2勝4敗と二つの負け越しで終わった。

 3日は若林楽人のサヨナラとなる中越え二塁打でなんとか勝つことができた。昨年も一度あったが今季2度目の殊勲打だ。9回にライデル・マルティネスが宮崎敏郎に同点の一発を浴びた直後だっただけに価値があった。

 2日に3位に落ちたものの2位に再浮上した。首位・阪神の背中ははるかに遠い。12ゲーム差だ。せめて2位を死守してもらいたところだ。

 でもこの一週間の戦いを見ていると、よっぽど頑張らないと、冗談抜きでBクラス、いや5位もあるのではと思えてきた。

 山崎伊織、フォスター・グリフィンと、いま巨人で最も頼りになる投手で勝てない。マルティネスが2登板連続で同点アーチを浴び、大勢も良くない。

 マルティネスは高めの球を打たれた。まあ、これはコントロールミスだ。あれほどの投手だ。7、8月は決して本調子ではないが、キッチリ修正してくるだろう。

 心配なのは大勢だ。ストライクが全部ベルト周辺だ。もっと高低をうまく使った方がいい。それに力んで投げる必要はない。

5日からの3連戦、先発に不安

 5日から9連戦だが、最初の大事なヤクルト3連戦(東京ドーム)の先発が戸郷翔征、2年目の左腕・森田駿哉、田中将大の順番になったという。

 ファームで調整をしてきた戸郷は7月30日の中日戦で52日ぶりに白星を挙げた。これまでできていなかった外角低めへの意識付けができていた。

 この戸郷はともかく、森田は初先発、田中将に至っては3カ月ぶりの先発だ。ちょっと考えられないし不安が先に立つ。

 ここにきて、7月29日の中日戦に先発した西舘勇陽が上半身のコンディション不良、31日の同戦で先発した井上温大が再調整で登録を抹消され、おまけにグリフィンが右ひざ痛で戦線を離脱した。

 先発投手が次々抹消となった。この大事な時に緊急事態が発生した。

 報道によると、9日のDeNA戦(横浜)は2年目の左腕・又木鉄平が務めるという。これまた今季初先発、グリフィンの代役だ。阿部慎之助監督は若手とベテランをうまく組み合わせて乗り切る構えなのだろう。

 岡本和真の離脱から約3カ月となる。さらに吉川尚輝も腰痛で離脱した。投手陣だけではない。野手陣だっていまは若手を起用している。現在、試合に出場しているのは開幕時にファームか控えだった選手が多い。

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