「ハイになって退職を決意」するも、引きこもって不安に… 小説家・遠坂八重が気づいた「社会の歯車の尊さ」とは
ハイになって退職を決意
2022年、『ドールハウスの惨劇』で第25回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、デビューした小説家の遠坂八重さん。最新刊『死んだら永遠に休めます』での“ハードな労働”描写が話題の彼女だが、その執筆の背景には自身の実体験があったようで……。
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一昨年から昨年にかけて、1年ほど無職だった。
長時間労働が続き心身に異変を感じつつ病院に行く気力もなくしばらく放置しいよいよ無視できないレベルで苦しいぞという段になってはじめて受診し自分が思っていたよりずっとヘビーな診断名がついたその日、ハイになって退職を決めた。...

