たびたび飲み会を「ドタキャンする人」は何を考えているのか…「誘いを断らない」のウラにあるドタキャン問題の本質

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 飲み会などの誘いに対して「行けたら行く」という返事をしてくる人は、100%「来ない」と解釈できるため、幹事は、その人のことは頭数に入れなければいいだけなので問題はない。やっかいなのは、「行く」と言ったのに、当日の会合開催前3時間あたりで「ごめん、今日行けない。仕事が終わらない」「ごめん、今日行けない、熱が出た」などとドタキャンをする人だ。【ネットニュース編集者・中川淳一郎】

裏LINEグループで決定

 筆者の知人の知人がそのタイプの人物で、仮にAさんとする。30代の独身女性だ。学生時代から仲が良いグループ(6人)で、年に4~5回会合を彼女達は開いていた。AさんはLINEグループのメンバーに入っており、返事は早い。毎度の誘いに「私も行けます」と言うし、複数のスケジュールを出すと行ける日はキチンと提示していた。

 しかし、あろうことか、Aさんは8回連続でその会合をドタキャンしたのだ。理由は「仕事が終わらない」「熱が出た」「決算期でバタバタしている」「今朝、足がつり、歩くのがキツい」「後輩がミスをしたのでそのリカバリーをしなくてはならない」など、バリエーションに富んだ理由を出してくる。

 さすがにそのグループ内でも5回目のドタキャンの後はモヤモヤした人が多かったのだろう。Aさんを入れない形の5人のLINEグループを作り「もう誘わないでいいのでは」という声が出た。しかし、「とりあえず声はかけよう」ということで誘い続けるも、その後も3回ドタキャンをされ、もうAさんは誘わないことを裏LINEグループで決定。

直前になると途端に行く気が失せる

 表グループではAさんを外さないまでも、この場ではもう飲み会の相談はされなくなり、裏LINEグループの5人でするように。今後はAさんが誘ってきた場合・幹事をする場合のみに表LINEグループで飲み会の相談をするとのコンセンサスを得るようになった。

 確かに「直前になると途端に行く気が失せる」ということは時にある。あとは元々行きたくはないものの、いい顔をしようとして「行ける」と言ってしまい、後で後悔することはある。それは仕方がないものの、さすがに8回連続というのはなかなかダイナミックなドタキャン黒帯保有者ではないか。

 この手のドタキャン問題の本質は「来たくないなら来なくていい」と人々は考えているということなのだ。別に「今は飲み会に行ける状況ではない」やら「8月はとにかく何があるか分からないので約束はできない」などとテキトーな理由でも構わないので断ってほしいのである。いや、もっと言うと「あと10年は飲み会に行けない」ぐらいゴージャスな断り方をしてくれた方が、幹事側としてはありがたい。

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