たびたび飲み会を「ドタキャンする人」は何を考えているのか…「誘いを断らない」のウラにあるドタキャン問題の本質

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さっさと退出してもらったほうが

 別にその人一人がいないことを誰もが気にしていないし、参加を断ることですら後ろめたいと考える必要はないという認識でいるのだから。いい年した大人なのだから、「とりあえず誘った」だけのことについては「気軽に参加拒否の気持ちを明言してほしい」となる。

 この話の本質は、「すべての人がいつまでも過去の人間関係を大事にするとは限らない」ということだろう。学生時代は仲が良かったかもしれないが、それから10年以上が経過すると、仕事関係や親族関係、地域関係など新たな関係性が生まれる。人間関係は変化していくものだから、学生時代の人間関係を重視し続ける必要はない。むしろ、大事だと思わないのであればさっさと退出してもらったほうが互いに幸せなのだ。

 というわけなので、学生時代の関係性に限らず、「あ、この人間関係はもはや私にとっては大事ではないな」と思ったら「もうあなた方とは会いません」と明確に言った方がいい。結局日本人は配慮をし合うから、裏LINEグループでネチネチと不毛な相談をすることになるのだ。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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