「横浜」春夏連覇を脅かす? 夏の甲子園 “ダークホース” “隠れ実力校”と警戒される5校とは

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 今月5日に開幕する第107回全国高等学校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)。今年も全国の地方大会を勝ち抜いた49の代表校が深紅の大優勝旗を目指して争う。 

【八木遊/スポーツライター】

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センバツV横浜が27年ぶり春夏連覇狙う

 今夏は各地で波乱が続出した。埼玉では浦和学院が3回戦で早々と姿を消すと、センバツ4強の浦和実も準決勝で敗退。大阪では大阪桐蔭が決勝で涙をのみ、愛知の私学4強もそろって甲子園を逃した。

 その一方で、センバツで準々決勝まで進出した8校のうち、浦和実と広島商を除く6校が春夏連続出場を決めており、これらの学校が夏も有力視される。中でも1998年の松坂大輔世代以来の春夏連覇を狙う横浜や、センバツ準優勝の智弁和歌山あたりが中心となりそう。

 ただ、最右翼の横浜も盤石の戦いぶりを見せていたわけではなく、準々決勝からの3試合はすべて劣勢を跳ね返しての勝利だった。

 この他に東洋大姫路や沖縄尚学、京都国際、仙台育英あたりが優勝争いに絡んできそうだが、どんな強豪校も一発勝負の甲子園では、些細なミスで試合の流れを奪われることもある。そこで、開幕前の時点で注目度は比較的低いものの、上位に進出するチャンスがある“隠れ実力校”を5校選んでみた。北から順番に紹介していこう。

全国最多の夏41回目出場

 まずは、札幌地区の2回戦から6連勝を飾り、2年ぶり出場を決めた北海(南北海道)だ。全国最多となる夏41回目の大舞台で3年ぶりの甲子園勝利を狙う。

 札幌日大との決勝戦を7―0と快勝した北海だが、その道のりは平坦ではなかった。この夏3戦目となった南北海道大会1回戦では、立命館慶祥を相手に大苦戦。試合終盤まで1点を追いかける厳しい展開だったが、何とかサヨナラで希望をつないだ。

 肝心の戦力は、2年生が中心ながら6試合で3失策の守備がストロングポイント。投手陣は左腕エースの浅水結翔が決勝で札幌日大を3安打完封するなど、25回1/3を投げて自責点1と圧巻の投球を続けた。独特の低いテイクバックから投げ込むストレートは決して速くないが、相手打者はかなりタイミングを合わせづらいのではないか。どんな強打者でも初見で打ち崩すのは至難の業だ。

 打線は決勝で満塁弾を放った佐竹徠都などパワーが持ち味の選手も多く、下位まで切れ目がない。必要とあらば、小技を絡めながら1点を取りに行く細かな野球もできる。

 北海は伝統的に初戦を勝てば、2勝目、3勝目を挙げるケースが多い。2年生が多いだけに、今夏も初戦を制することができれば、勢いに乗って上位進出の目も出てくるだろう。

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