北極点をめざした冒険家には「美し過ぎる女優時代」があった―― 石井ふく子さんが振り返る和泉雅子さんの“素顔”
物故者を取り上げてその生涯を振り返るコラム「墓碑銘」は、開始から半世紀となる週刊新潮の超長期連載。今回は7月9日に亡くなった和泉雅子さんを取り上げる。
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1984年、当時37歳の和泉雅子さんは北極点に立つと決意した。零下40度もの酷寒の氷原800キロ余りをスノーモービルで走破、同行者はいるが約2カ月を要す命懸けの道程である。
芸能レポーターの石川敏男さんは思い返す。
「なぜ行くんだ、と驚く以前に意味が分からなかった。...

