「しがみついているようには見られたくないけど…」 石破首相の“居直り”は選挙前から既定路線だった

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「総理の来阪で票が減った」

 大阪の自民敗北の責任を取って、大阪府連会長の辞意を表明した青山繁晴参議院議員(73)もこう憤る。

「私は石破総理の来阪(応援演説)は、みんなにも分かるようにちゃんと反対をしました。しかし、総理は何度も何度も、いくら断っても申し入れてこられた。私は大阪府連会長として主権者に総理の来阪反対を明言すること、柳本顕候補に(石破氏とは一致しない)自分の考えを総理の横で言っていただくこと、この二つを条件にして総理の来阪を受け入れたのです。その結果、やはり票が減ったと考えております」

 続けて、こうも言う。

「昨秋の総選挙で敗北した後、自民党本部で開かれた両院議員懇談会で、私は石破総理の目を見て“自ら身を処するべきです。総選挙で負けてお辞めにならないのでは、モラルが崩壊します”と申し上げました。その時、石破総理は目をそらされましたけど、それが参院選の死屍累々という結果につながっている。今回は“身を処してください”とお願いするだけではいけないと考えています」

 などと語り、明白に“石破おろし”ののろしを上げる。

広がる“石破おろし”

 山田宏参議院議員(67)も同様である。

「安倍元総理が07年の参院選で大敗した時、石破総理は党総務会で安倍氏の続投表明について“どう説明するのか”と大批判を展開しましたよね。それなのに、石破総理自身は新たに“比較第1党”になったことを理由に、“政権運営の責任があるので辞めない”と仰っている。まったく筋が通りません」

 この山田氏と西田氏は前回の総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相(64)の推薦人に名を連ねていた。青山氏も決選投票では高市氏に投票したと明かしている。その高市氏は投開票日の2日前、奈良県大和郡山市で行った応援演説で、

「私なりに腹をくくった。もう一回、党の背骨を入れ直す。そのために戦う」

 と語り、次期総裁選への意欲を示していた。

 自民党関係者が言う。

「石破おろしの動きは麻生派と高市氏に近い議員を中心に広がりを見せています。軸は裏金問題後、唯一、派閥として残った麻生派です。その麻生派は“石破首相の次の内閣改造で政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)の指名は断る”と内々に決めたといいます。麻生氏と気脈を通じる茂木敏充前幹事長(69)の旧茂木派や萩生田光一前政調会長(61)ら旧安倍派の面々を糾合できれば、自民党所属議員全体の3分の1である100名くらいは集まるでしょう」

 さらにこう解説する。

「党執行部は21日の臨時役員会で両院議員懇談会の開催を決めましたが、これはたんなるガス抜きでしかない。反主流派の一部は両院議員総会の開催を求めています。総会の開催は自民党所属議員の3分の1で足りますが、目的はその場で総裁の解任を要求することです。そのためには、議決に必要な過半数の人数を集めなければなりません。また、自民党の党則には事実上のリコール規定もありますが、こちらは所属議員に加えて各都道府県連代表の過半数が必要となります」(同)

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