「人を殺してみたかった」…父は弁護士、母は教育委員 エリート一家の「15歳女子高生」がクラスメートを殺害・解体するまで 「佐世保高1女子生徒殺害事件」から11年
「自分一人でやった」
問題のマンションはJR佐世保駅から約1キロの場所にあり、少女Aが暮らす部屋は父親名義で借りられていた。間取りは10畳のワンルームである。
「警察官が部屋に踏み込んだところ、ベッドの上にBさんの遺体が横たわっていた。そして、その遺体は首と左手首が切断されていたのです。仰向けに横たわった胴体にも切った跡がありました」
と、長崎県警関係者。
「切り離された頭と左手は両方ともベッドの上にはありましたが、本来あるべき位置にはなかった。頭部は横向きで発見されました。遺体に布団はかけられておらず、近くにはハンマーやのこぎりがありました」
酸鼻を極める殺害現場――。警察官に任意同行を求められて佐世保署に入った少女Aは、
「後頭部を殴ったり首を絞めたりして殺した。自分一人でやった」
とあっけなく犯行を自供、殺人容疑で逮捕された。
「人を殺してみたかった」
「遺体の状況からみて、Aは相当な量の返り血を浴びたはずですが、Aの着衣に血は付いていなかった。犯行は午後8時頃とみられており、その後、服を着替えたのでしょう」
と、先の県警関係者。
「Aは取り調べには淡々と応じ、反省の弁は口にしていない。今のところAとBさんの間にトラブルがあったかどうかは把握できていない。Aは“人を殺してみたかった。解体してみたかった”と供述しています」
全国紙社会部デスクの話。
「事件現場の様子も、彼女の供述内容と矛盾がないと言えます。遺体を切断すれば大量の血液が流れるというのは15歳の少女でも分かることで、遺体を隠す意図が彼女にあったのなら、風呂場でバラバラにしようとしたはず。しかし、彼女は“解体”そのものが目的だったので、ベッドの上でそれを行ったのです」
大豪邸
少女Aは4人家族の長女である。弁護士を務める父親、佐世保市の教育委員を長く務めていた母親、東京の私立大学に通う兄。母親は昨年秋に病死し、父親はそれからほどなくして年若い女性と再婚しているが、それについては【後編】で述べる。
「Aちゃんの家は地上2階地下1階の大豪邸です。家の中にはエレベーターがあるし、夏には屋上で花火をして遊んだり、庭にある木に登ったり、錦鯉の泳いでいる池や小川に入って水遊びをしたり、広い家の中でかくれんぼをして一緒に遊んだこともあります。Aちゃんの家の中にいれば、何でもできるんです」
そう語るのは、少女Aの幼馴染である。
「私が家に遊びに行くと、Aちゃんのお母さんはいたりいなかったりでした。ただ、Aちゃんの家でご飯を食べる時には、お母さんではなく、お手伝いのおばさんが全部作っていましたね。Aちゃんのお父さんは、地元のテレビにもよく出る有名な弁護士さん。“佐世保で一番稼いでいる”という評判を聞いたこともあります」
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