「人を殺してみたかった」…父は弁護士、母は教育委員 エリート一家の「15歳女子高生」がクラスメートを殺害・解体するまで 「佐世保高1女子生徒殺害事件」から11年

国内 社会

  • ブックマーク

エリート一家

 少女の父親は弁護士としてだけではなく、スピードスケートの選手としても名前を知られていた。高校時代に国体で準決勝まで進んだことのある彼は、弁護士になってから再び練習を開始。娘と一緒に再度の国体出場を果たしている。

「Aちゃんはスケートだけではなく、ピアノやスキーもお父さんに勧められてやっていました。Aちゃんの家には、彼女がスキーをやっている写真が飾られていたのを憶えています。その他、絵画教室にも通っていたし、当然、学習塾にも行っていました」

 と、幼馴染は話すが、少女Aの一家を知る人物は次のように語る。

「確か、Aちゃんのお母さんは東大出身だと聞いたことがあります。そのためか、あのお宅は一家全体で東大へのあこがれが強く、Aちゃんのお兄さんも元々は東大を目指していた。しかし結局は入れず、浪人して、父親の母校である東京の私立大学に通うことになったのです。Aちゃんも東大志望だったようです」

 絵に描いたような教育一家、エリート一家だったわけである。

「Aは中学の時から成績優秀だった。学年で留学を希望している生徒の中で上位10人に入っていたと言います」(全国紙記者)

将来の夢は

 先の幼馴染は、

「なんでAちゃんがこんな事件を起こしたのか、本当に分かりません。Aちゃんには、小学生の時から話していた夢があります。その夢を知っているから、なおさら事件のことが信じられないのです」

 として、以下のエピソードを明かす。

「Aちゃんは“私は、お父さんやお兄ちゃんと戦いたいの”と話していたのです。Aちゃんのお父さんは弁護士として成功しており、お兄ちゃんの将来の夢も弁護士で、東京の大学で頑張っている。つまりAちゃんの将来の夢は検事になることで、それがもし叶ったら、法廷でお父さんやお兄ちゃんと戦いたい、と言っていたのです。検事になりたいと話していたAちゃんがどうして人を殺すようなことをしたのか、本当に私には分からなくて……」

 父親と一緒にスケート練習に励んで国体出場を果たし、志望大学は東大。将来の夢は検事――。だがそれは、少女Aの貌(かお)の一面にしか過ぎない。

 ***

 決して外には見せなかった少女Aの“裏の顔”とは何か。事件後、彼女の父親を襲った“悲劇”とは。そして、11年後の現在の元「少女A」の近況とは――。【後編】で詳述する。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。