「〈大東亜戦争のように戦い抜く〉発言で保守層にアピール」 参政党が人々を熱狂させた“本当の理由” 「玉木型と石丸型のハイブリッド」

国内 政治

  • ブックマーク

「演歌歌手のどさ回りのような……」

 こうしたタカ派色全開の語彙がなじみやすいのは、ネット空間である。

「JX通信社とTBSが合同で行った世論調査によれば、参政党の支持者の4割が“マスメディアの情報はおおむね信用できない”という意識を持っています。これはどの政党よりも高い割合です」(米重氏)

 そこで彼らの主戦場はSNSとなる。「選挙ドットコム」顧問でネット選挙コンサルタントの高橋茂氏が先例を挙げつつ解説する。

「昨年の衆院選で躍進した国民民主党の玉木雄一郎代表は、YouTuberとして、インフルエンサーなどいろんな人たちのチャンネルに地道に出演し続けることで、やっと火がつきました。いわゆる演歌歌手のどさ回りのような支持の伸ばし方だったのです」

「玉木型と石丸型のハイブリッド」

 もう一人、SNSを巧みに使いこなして名をはせたのが、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏である。

「市長時代の石丸さんは、市議会の様子が切り抜き動画で拡散された結果、政治家への不信感を抱いている人たちの溜飲を下げることに成功した。これは“ワクチン反対”や“外国人問題”で過激な物言いをする神谷さんに通じます」(高橋氏)

 とした上で、続ける。

「もともと参政党は3年ほど前から支援者が動画を配信していました。ただ、動画を見る人は限られていたのですが、ここにきてショート動画が注目されてさかんに見られるようになった。つまり、長い間続けていたという意味では玉木型で、分かりやすいショート動画が人々の不満に突き刺さったという意味では石丸型。ハイブリッドですね」(同)

 後編【「政治的無知と認知バイアスで“バカの二乗”に」 先進諸国での極右勢力の台頭…その原因とは】では、国際的な流れともいえる極右勢力の台頭問題について、識者の見解を紹介する。

週刊新潮 2025年7月31日号掲載

特集「『大東亜戦争のように戦い抜いてやる』 キワモノ『参政党』になぜ日本人は熱狂したのか」より

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。