「〈大東亜戦争のように戦い抜く〉発言で保守層にアピール」 参政党が人々を熱狂させた“本当の理由” 「玉木型と石丸型のハイブリッド」

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有権者の不平不満を、外国人に投影

 米重氏によれば、メインの支持者は40~50代の男性。参政党の得票率の高さには二つの理由がある。

「まず、消極的な参政党支持です。1人しか当選できない1人区は、与党と野党第1党以外は擁立をためらうものですが、参政党はすべての1人区に候補者を擁立していました。これが“石破自民にも入れたくないし、立民にも入れたくない”という層の受け皿になりました」

 積極的な支持では、

「選択的夫婦別姓への反対や伝統的な男女の役割の尊重、外国人への厳しい政策などに共感した人たちにアピールした。その際、彼らの“日本人ファースト”というフレーズで、物価高に対する有権者の不平不満の原因を、外国人という存在に投影することにも成功しました」

 このキャッチフレーズが打ち出されるまでに、さまざまな段階を踏んでいると明かすのは参政党関係者。

「まず『政治はロックだ!』というフレーズの、次いで『愛と政治』というフレーズのポスターを作りました。これがネットで注目されて、党内でも選挙に向けて“炎上マーケティング”の是非について議論が行われるようになったのです」

〈大東亜戦争のように全方位で戦い抜いてやります〉

 特にこの党の特色がよく出ているものがある。

「『次は私たちの番だ』として、特攻隊員のイラストをあしらったポスターです。これは自民党旧安倍派の支持層など特に保守的な人たちの心に刺さるものだった。その後、“日本人ファースト”という言葉で表現するようになったことで、自分たちがかねて主張していた反グローバリズムが大衆に伝わりやすくなりました」(前出の参政党関係者)

 特攻隊員のイラストと聞いて驚くかもしれないが、神谷代表は戦争に言及することがしばしばある。6月に行われた沖縄での街頭演説では日中戦争について〈日本軍が中国大陸に侵略していったのはウソです。違います。中国側がテロ工作をしてくるから、自衛戦争としてどんどんどんどん行くわけです〉と自説を開陳した。

「神谷さんは有料でファンに向けて毎日ブログを更新しています。前日にやったことなどの報告がメインで、選挙期間中は遊説の様子をつづっていました。選挙戦終盤の7月18日には〈それにしても毎日毎日、すごい妨害の数。(中略)しかし、私たちは負けない。これは戦争だから。大東亜戦争のように全方位で戦い抜いてやります。〉と記しています」(同)

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