定年後「月に10万円」稼げるのはどんな仕事? 老後2000万円問題の不安を解消する「小さな仕事」

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モチベーションを変化させる必要が

 私は、小さな仕事は次の3要素によって構成されると考えています。

・報酬はそれほど高くない。

・労働時間が短い。

・仕事の負荷やストレスが少ない。

 こうした仕事はもれなく、世の中に必要不可欠で価値がある仕事です。現役時代のように「心身共にストレスを抱えながらキャリアアップや給料アップを求めること」から、年を重ねるとともに「無理なく、かつ生活を豊かにする範囲で稼ぐ」ことへと、仕事に対するモチベーションは変化していきます。あるいは、そう変えなければならないといえるかもしれません。

 昔のように、課長や部長にまで上り詰めてそこでリタイアし、後は悠々自適、という時代ではありません。今の時代は、管理職になって以降も再び現場に戻ったり、体力などが衰えても働き続けたりする覚悟が求められますから、それに合わせて仕事へのモチベーションも変えていく必要性があります。

人の役に立ちたい、ちょっと体を動かしたいという目的

 だからといって、なにも難しく考えることはありません。リクルートワークス研究所の調査では、若年期から中堅期(20代から50歳くらいまで)よりも、高齢期の就業者のほうが仕事に満足している方が多い傾向が明らかになっています。要は、人生経験を積み重ねた結果、自然と「ガツガツ働かずとも、社会に貢献でき、それで収入を得られることに幸せを感じる」ようになる方が多いのです。

 現に、私がシニア就業者にインタビューした際も、例えばホワイトカラーだった方が、定年後に現役時代の延長線上にあるわけではないエッセンシャルワーク、例えば農業などの仕事に就き、とても満足していると回答するケースが多くありました。多くのシニアの方が、人の役に立ちたい、あるいはちょっと体を動かしたいという目的のもとで、先ほど定義した“ちゃんと稼ぐ”生活を送っているのです。つまり、「定年後も働く」ことの意味は、収入を得ることであると同時に、社会とつながり続けることによって生活のリズムを整え、また同僚やお客さんと接して心身の健康を維持・向上させることにもあるのです。

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