定年後「月に10万円」稼げるのはどんな仕事? 老後2000万円問題の不安を解消する「小さな仕事」
19の職業
では具体的に、小さな仕事にはどんなものがあるのか。私の近著『定年後の仕事図鑑』で取り上げたのが「19業種、100職種」です。平均月収はほとんど10万円以上で、少なくとも「赤字7万円」はクリアできるものばかりです。以下、平均年収の高い順に19業種を紹介します(カッコ内は職種の例)。
(1) 営業(金融・保険営業)
(2) 事務(会計事務員)
(3) 生産工程(食品・飲料製造作業員)
(4) 林業・漁業(水産養殖作業者)
(5) 運転(送迎ドライバー)
(6) 農業(収穫や出荷を行う農業従事者)
(7) 警備(施設警備員)
(8) 販売(コンビニ販売員)
(9) 運搬(配達員)
(10) 介護・保健医療サービス(施設介護職員)
(11) 施設管理(マンション・アパート管理人)
(12) 調理(ファミレス調理人・調理補助)
(13) その他専門職(塾講師)
(14) 生活衛生サービス・生活支援(家事代行)
(15) その他サービス(ポスティングスタッフ)
(16) その他運搬・清掃等(学校用務員)
(17) 接客・給仕(飲食店ホールスタッフ)
(18) 清掃(ビル清掃員)
(19) 包装(スーパーのバックヤード作業員)
60代半ば以降に重要になる「小さな仕事」
小さな仕事は実に多種であり、ちゃんと稼ぐ方法も多様であることが分かっていただけると思います。仕事の探し方としては、シニア世代には依然としてハローワークが大いに役立ち、またインターネットの求人広告や店頭のビラなども有用です。加えて、さらに年齢を重ねた方であれば、シルバー人材センターも検討してほしいです。ちなみに、ここ10年で31.8%から44.9%にまで65歳女性の就業率は増えており(男性は62.9%)、シニア女性就業者が多いのは(10)(12)(17)などです。
とはいえ、現役時代にホワイトカラーだった方などの中には、「それまでと畑違いの仕事などできない」「やりがいを感じられないのではないか」という考えを持つ方がいるかもしれません。ただ、それはあくまで先入観に過ぎず、現実は異なります。
家のローンの問題などが残っていて、依然としてそれなりの金額を稼がなければならない60代半ばの中高年期までは、現役時代の延長線上の仕事を選択することを優先するべきでしょう。具体的には、それまで勤めていた会社での再雇用や、企業規模をグッと落として同業他社で仕事をする。そのほうがスキルを生かせ、現役時代より下がるとはいえ小さな仕事よりも稼げる蓋然(がいぜん)性が高いです。
そして、60代半ば以降になったときにはいよいよこの「小さな仕事」を考える局面に差しかかります。
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