【中学受験・夏のメソッド】「プリントやテキストを“積み上げる“のではなく…」 全国5000塾に取材したプロが明かす「夏に伸びる子」になるための4つの方法
夏こそまずは「復習の徹底」を
まず、過去の塾のプリント、テキスト、ノートを過去から遡って、学年順に綺麗にまとめてみよう。その置き場は必ず決まった場所にすること。さらに、ファイル化するなどして、子どもが出し入れしやすいように工夫もしておきたい。
その準備ができたら、それを子どもと一緒に徹底的にやりなおそう。一度、塾で解いた問題のはずであるから、新しいものよりは飲み込みが早いはずだ。わからない問題は立ち止まらず、すぐに解答を見て理解させる。この場合、口頭で良いから、すぐに理解をしているかチェックテストをしよう。
注意したいのは、なるべく新しいものに手をつけないこと。新しいことをやらせることは子どもの混乱につながる。ひとまず、塾のテキストを徹底させよう。そう、夏に重要なのは何より、これまでの復習なのだ。
算数の計算で使った紙や、使い切ったペンはあえて残す。入試直前でそれを見てここまでやったから大丈夫と声をかけるために。勉強した分が目で見てわかるように、終わったものをすぐそばに置いておくのだ。
YouTubeやTikTokは要注意
勉強のスケジュールは塾がある日、ない日をざっくり時間を決めてやりたい。
とはいえ、スケジュール通りにはなかなかこなせそうにないもの。そこで筆者から秘策を一つ提案したい。
子どもの夏休みの楽しみには、プールやサッカーなどやりたいこともさまざまあるはずだ。家族で夜、外食に行くといったこともそうだろう。これらは、課題をきちんと済ませた上で許可することを徹底させよう。
よって、子どもの遊びは、親として“終わりの時間が読めるもの”に限定する。スマホゲーム、YouTubeやTikTokはダラダラと際限なく続けてしまいがちなのでなるべく避けたい。もしやりたいと子どもがいうなら、課題の消化率で時間を決めるなど制限をつけたほうがよいだろう。
学校見学のポイント
最後にもう一つ、夏休みのうちに、親子で学校の見学もしておきたい。7月から8月にかけて学校説明会や体験入学は本格化する。8月の下旬以降も鴎友学園女子、開智所沢、高輪、豊島岡女子学園、埼玉栄、慶應義塾普通部など有力校が実施予定だ。
現地では子がどう感じたかマメに話しかけ、もしわが子が通うことになったらどうなるのかを親子でイメージしてほしい。親と一緒にしっかり決めた学校は、子どもにとっては、偏差値以上の価値がプラスされるはずだ。この時期に抱いた憧れによって、中学受験に対する本気度も変わってくるはずだ。
〈有料版の記事【「大学の“推薦・総合選抜”を見据えるなら」「医学部への裏ルートは…」 70の塾への独自調査でわかった「狙い目中学校」の実名と正しい受験校の選び方】では、夏に志望校を決める上での考え方や、“狙い目”といえる中学校の実名などについて詳述している〉
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