TBSのように「参政党」の主張を真っ向から批判することが“逆効果”な理由 「政治家より党員の発言力のほうが強い」という組織の実態とは

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神谷代表と陰謀論

 ネットメディアで選挙報道を担当している編集者は「もし本気で参政党を批判し、参政党の躍進にブレーキをかけたいのなら、差別やヘイトとの論点は逆効果なのではないかと思います」と言う。

「『参政党は外国人を差別している』との批判には、『全ての在日外国人を差別する意図はない。コンプライアンス意識の低い、場合によっては刑法に抵触している在日外国人が野放しにされていることを問題視している』との反論が可能だからです。実際、ある外国人タレントが参政党の主張に疑問を投げかけると、ネット上では『真面目な外国人は日本にいていい』との反論が殺到しました。さらに別の外国人タレントが『参政党の主張を支持しているのは健全なナショナリズムであり、排外主義とは無関係』とXに投稿しました。この論点では『差別した/差別していない』という水掛け論で終わってしまう可能性が非常に高いのです」

 外国人に対する政策とは異なり、参政党は以前から“トンデモ”な主張を繰り広げてきた。例えば神谷代表は以前、陰謀論らしき言説を主張したことがある。

 週刊新潮が7月17日号に記事を掲載し、これをデイリー新潮が7月9日に「『参政党の神谷さんは陰謀論に染まり切っている』 元党員が証言 『勉強会で語る”歴史の真実”は陰謀史観そのもの』」とのタイトルで配信した。該当部分を引用する。

「メロンパンで死ぬ」発言

《しかし、その神谷代表には、著作などで陰謀論らしき言説を主張していた過去がある。以下は神谷代表の編著『参政党Q&Aブック基礎編』からの抜粋である》

《〈Q27 参政党のメンバーが言う「あの勢力」とは何でしょうか?〉》

《A ユダヤ系の国際金融資本を中心とする複数の組織の総称です。(中略)日本は「あの勢力」に数百年前から標的にされ続けてきました。私たちが歴史で学んだ出来事の多くの背後には「あの勢力」が存在していたのです〉》

「他にもネット上ではメロンパンが話題になっています。参政党は“食の安全”を主要な政策として掲げていますが、過去にはなぜか小麦粉を敵視していた時期がありました。その際、街頭演説で『メロンパン1個を食べて翌日死んだ人をたくさん見ています』と主張したことがあり、その動画が発掘されて拡散しています。参政党サイドは『党の公式見解ではなく、一種のデマだ』、『発言したのは元共同代表であり、今は党を離れている』と打ち消しに躍起です。しかしSNSでは『街頭演説は動かしようのない事実であり、デマとの反論は間違っている』と呆れた声が目立ちます」(前出の記者)

 他にも神谷代表が党の公式動画で「天皇陛下に側室をやっぱり持っていただいてですね、たくさん子どもを作っていただく」と発言し、物議を醸したこともある。

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