「自分たちの一番いい時に…」キャンディーズ解散は“有言実行” 「微笑がえし」録音で“育ての親”が涙を流した深すぎる理由

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人気絶頂での衝撃的な解散宣言

 ラン(伊藤蘭)、スー(田中好子)、ミキ(藤村美樹)の3人組といえば、1973年にデビューしたアイドルグループ、キャンディーズ。デビューのしばらくして人気に火がついたものの、人気絶頂だった78年4月に華々しく解散した。

 その解散が発表されたのは、77年7月17日、日比谷野外音楽堂で開かれたコンサートの席上。号泣しながらファンに告げた「普通の女の子に戻りたい!」は、その後の流行語にもなった。日本中はもちろん、当時大ファンだった石破茂首相もおそらく嘆き悲しんだ解散宣言だが、実は「一番いい時に解散を」と話していた3人の“有言実行”だったという。

「年下の男の子」「春一番」などを手掛けた作曲家の穂口雄右氏は、短くも輝いたキャンディーズを陰で見守っていた1人だ。そんな穂口氏が明かした解散の裏側、そして名曲「微笑がえし」秘話とは――。

(「週刊新潮」2016年3月3日号「『キャンディーズ』は売れるずっと前から解散を口にしていた!」を再編集しました。文中の肩書き、年齢等は掲載当時のものです)

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デビュー当時は期待されていなかった

 普通の女の子に戻りたい、という名ゼリフを残して解散したキャンディーズ。と言いながらも、女優になるなど、普通の女の子に戻らなかったのは周知の通りだが、それはともかく、育ての親によれば、このトップアイドルグループは、かなり以前から「解散」を口にしていたという。

 もっとも、キャンディーズを育てた作曲家の穂口雄右(ゆうすけ)氏(68)にあらためて尋ねると、この3人はトップアイドルどころか、

「デビュー当時は、まったく期待されてないグループだったんです」

 と言って、こう続ける。

「それを渡辺プロダクションの松崎澄夫さんと僕とで組んで、歌手として売り出すことにしたんです。誰からも期待されていなかったので、僕らは好き勝手な方向に、彼女たちを歌唱指導できました」

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