試写を見た途端、関係者も号泣した映画「火垂るの墓」 ところが見たのは「幻のバージョン」だった…… 高畑勲の美学が生んだ“秘策”に迫る
1988年4月16日が宮崎駿監督「となりのトトロ」と高畑勲監督「火垂るの墓」の劇場公開日である。その日に向け、製作の新潮社ではあるものが配布された。そして、未だ完成の目途が見えない「火垂るの墓」に、高畑監督はある秘策を思いついた。(前後編記事の後編)
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前編に引き続き、新潮社サイドで製作に携わった柴田静也氏の話を聞いてみよう。今でこそジブリ作品といえば、公開前からヒットが確実視されるが、当時はそんなことはなかったようだ。...
